2017 Fiscal Year Research-status Report
アフリカ系アメリカ文学と視覚芸術における歴史的トラウマ表象の変遷
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26370349
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
宮本 敬子 西南学院大学, 文学部, 教授 (60182044)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | トニ・モリスン / ロメール・ベアデン / 歴史的トラウマ表象 / 公民権運動 / ブラック・アート運動 / ブラック・パワー運動 / ブラック・フェミニズム / カラ・ウォーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は以下のような研究活動を行った。 1) 4月下旬から5月上旬にかけてボストンで開催された米国多民族研究学会( MELUS)年次大会に参加し、モリスンおよびトラウマ関連のセッションに出席した。また帰路ニューヨークに移動し、Kara Walkerの個展を視察し、ニューヨーク公立図書館ショーンバーグ分館にて資料収集を行った。 2) 5月下旬にはボストンで開催されたAmerican Literature Associationの年次大会に参加し, 研究テーマに関連したセッション "Emotinal Archives: Trauma, Memory and African American Literature"に出席し貴重な知見を得ることができた。同時にToni Morrison関連のセッションにおいて、最近モリスン研究書を出版したJean Wyatt教授と面談し情報交換することができた。Jamaica Kincadeの講演およびレセプションでも、アフリカ系およびカリブ系作家研究者との交流を深めた。 3)平成29年度9月より約半年間、フルブライト研究員としてブラウン大学に滞在し、元指導教授のJoan Copjecのセミナーおよびアフリカ系アメリカ表象文化(映画、視覚芸術専門)の新進気鋭の研究者Kara Keeling教授のセミナーに出席し最新の研究動向および成果を学ぶことができた。またSamuel DelannyやCornell Westを始めとする著名な作家、批評家の講演会やセミナーにも多数参加した。 4)ブラウン大学での春学期は、資料収集・精査、論文執筆に取り組んだ。3月にはワシントンDCの議会図書館で資料収集をし、ナショナル・ポートレイト・ギャラリーにてミッシェル・オバマやモリスン、シルビア・プラス関連の展示を視察し、公共圏における女性表象に関する貴重資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フルブライト研究員として渡米したため、前半はその準備等に時間がとられたこと、またブラウン大学に半年間滞在した結果、研究計画にはなかったが研究テーマには関連しているセミナーやレクチャーに参加する機会が増えてしまったため、当初予定していた資料の精査や論文執筆に十分な時間を割くことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に得た資料や知見を生かして、最終年度にあたるこの1年でなんとか成果をまとめる計画である。そのためには、資料の精読および原稿執筆中心に研究計画を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度後半の半年間はフルブライト奨学金を得てアメリカ滞在したため、海外への学会出張費が減少した。また年度末まで滞米したため、滞在中に使用した研究関連費用の請求を年度内に済ますことができなかった。平成30年度はすでに使用した研究関連費用のうち可能なものは清算をしたうえ、論文に掲載する図像や絵画等の版権取得および出版費用などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)