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2014 Fiscal Year Research-status Report

近世における漢文訓読と日本語意識の形成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26370533
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

齋藤 文俊  名古屋大学, 文学研究科, 教授 (90205675)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords漢文訓読 / 日本語意識 / 日本語史 / 翻訳 / 近世 / 江戸時代
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、近世という、漢文訓読が大きく変化した時期において、漢文という外国語を翻訳することによって生じた日本語文章(漢文訓読文)の語法を精査するとともに、その翻訳作業によって意識化された日本語意識の形成過程を明らかにしていくものである。1年目である平成26年度は、先行研究果の整理を行うとともに、基本資料の収集と整理を行った。また、下記2件のような発表を行い、研究成果を公表しつつ、国内外の研究者から今後の研究への示唆を得た。
1.日本語学会70周年記念シンポジウム「“学術日本語”の歴史と未来―大学教育国際化時代を迎えて―」(日本語学会2014年度春季大会、2014年5月17日、早稲田大学国際会議場井深大ホール)における発表「明治初期における学術日本語を記す文体」
2.Seminar on "Language, literature and teaching in the contemporary perspectives"(2014年10月20日、インドネシア スラバヤ大学)における研究発表「漢文訓読と日本文化 (Kanbun kundoku dan Budaya Jepang)」

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1年目において、2件の研究発表を行い、また、雑誌論文を1件発表することができた。
日本語学会におけるシンポジウムは、主として漢文訓読体によって学術用語が翻訳されていた明治初期、聖書の翻訳において、ヘボンを中心とする外国人宣教師は、「民衆に理解され」るような表現を目指していたことを発表したものである。また、インドネシアにおける発表は、漢文訓読が日本文化および日本語表現にどのような影響を与えているかを解説したものであり、この二つの発表において、国内外の日本語研究者と意見を交換し、今後の研究へのヒントを得ることができた。
雑誌論文は、江戸時代の漢字文化に、漢文訓読を中心とする「雅」の世界と、唐話や白話小説という「俗」の世界が両立していたことを論じたもので、本研究のテーマである「日本語意識の形成」を、「雅」「俗」両面から整理していく可能性を示すことができた。

Strategy for Future Research Activity

1年目は、2件の研究発表を行い、雑誌論文を1件発表することによって、研究の概要を国内外に示すとともに様々な示唆を得ることができたので、その成果に基づき、今後は、以下の2点について推進していく。
1.前年度の調査および発表を元に図書館での本格的な調査を行うとともに、研究会を開催する。なお、資料調査については、これまでの研究活動(科学研究費補助金による研究を含む)において調査・蓄積してきた資料を利用するのはもちろんであるが、あらたな資料を発掘するために、上述のように、今年度も東京大学附属図書館・国立国会図書館、また各地の公共図書館などを調査する予定である。また、国内外の研究者を招聘して研究会を開催して情報の交換を行っていく。
2.収集・整理した資料について、データベース入力作業を行う。まず、OCRソフトで機械的に読みとり可能なものはそれを使用してコンピュータ入力し、テキストデータベースとして利用する。次に、漢文訓読資料については、まず返点・振り仮名・送り仮名などの情報を処理した上で、手作業で必要な語法をコンピュータ入力する。最後に、上記で作成したテキストデータをもとに、漢文訓読語法を抜き出し、「近世漢文訓読と日本語意識の形成に関するデータベース」を作成する

Causes of Carryover

本研究は、28年度までの継続した研究であり、また、2年目においても、国内調査旅費、文献複写費など下記に示すような費用を必要とするため、1年目において無理に使用することなく、次年度に繰り越すこととした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本研究は、1.国内での資料調査、2.データベースの作成、3.研究会の開催、の三点が中心となるものである。
そのため、国内での資料調査については、2年目においても、本格的資料調査を行う予定であり、国内調査・研究旅費、および文献複写費を使用する。データベースの作成については、2年目から本格的に実施する予定であり、資料調査により得られた資料の入力作業のために用いるドキュメントスキャナの購入費、およびデータベース作成補助謝金を使用する。研究会の開催については、1年目は、研究発表を行ったので、2年目においては国内から専門家を招聘して公開で研究会を開催するために、国内研究者招聘旅費および専門的知識の提供謝金を使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 江戸時代における白話小説の翻訳と可能表現 ―「雅」「俗」二つの漢字文化―2015

    • Author(s)
      齋藤文俊
    • Journal Title

      近代語研究

      Volume: 18 Pages: 125-140

  • [Presentation] 漢文訓読と日本文化 (Kanbun kundoku dan Budaya Jepang)2014

    • Author(s)
      齋藤文俊
    • Organizer
      Seminar on "Language, literature and teaching in the contemporary perspectives
    • Place of Presentation
      インドネシア スラバヤ大学
    • Year and Date
      2014-10-20
  • [Presentation] 明治初期における学術日本語を記す文体2014

    • Author(s)
      齋藤文俊
    • Organizer
      日本語学会70周年記念シンポジウム「“学術日本語”の歴史と未来―大学教育国際化時代を迎えて―」
    • Place of Presentation
      早稲田大学国際会議場井深大ホール
    • Year and Date
      2014-05-17
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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