2014 Fiscal Year Research-status Report
コンビナート統合-歴史的発展形態としての事業連携-
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26380429
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
稲葉 和也 山口大学, 技術経営研究科, 教授 (40280218)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 事業連携 / コンビナート統合 / 研究開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国8箇所のコンビナートを対象にして、現役・OBの経営者・技術者への聞き取り調査と現地視察を行い、その形成と発展、歴史的に生じた様々な問題点などを取り上げ、各地区のコンビナートを比較して分類し、今日につながる条件と問題点、理論と今後の方向性を明らかにすることを全体の目的としている。 過去にコンビナートの形成史を中心に研究を行ってきた経緯があり、石油、石化、化学企業の今日的問題を歴史的発展から理論的に研究してきた。今年度は、鹿島地区(茨城県)、水島地区(岡山県)、周南地区(山口県)を中心に調査を進め、研究成果を論文等(『経営史学』など)において発表した。 特に鹿島地区コンビナートの調査・研究においては、現地コンビナート・工場等調査を行い、コンビナート形成史とその後の展開に関する文献・資料等の収集を行い、コンビナート形成や第一次石油ショックに対する企業の対応など、当時の状況を知る、OB、証言者への調査を実施し、調査・研究成果を常陽銀行(茨城県)のシンクタンクである一般財団法人常陽地域研究センター発行の『JOYO ARC』において論文で報告した。 また、「応用経営史」の方法論の下、現代的な課題解決策について新聞等(『化学工業日報』、『中国新聞』、『日本経済新聞』など)において積極的に発言をした。 「コンビナートの事業連携」に関する理論的研究成果については国際学会(IFSAM, ICIM)、工学的な観点から妥当性があるのかどうか確かめるために日本機械学会において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度研究計画で示した「鹿島地区コンビナートの調査・研究」について①現地コンビナート・工場と関連企業の調査、②コンビナート形成史とその後の展開に関する文献・資料等の収集、③コンビナート形成や第一次石油ショックに対する企業の対応など、当時の状況を知る、OB、証言者への調査を実施、③調査・研究成果を論文等で報告するという目標に対してほぼすべて達成したと思われる。 しかしながら、精緻化し、更に内容のレベルを高めていく作業は残っている。鹿島地区コンビナートで行った方法を他地域に展開していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初27年度研究計画は「千葉・市原・水島地区コンビナートの調査・研究」としていたが、大分・鶴崎コンビナート関係者(行政・企業)からコンビナートの事業連携について調査をして欲しいとの依頼が直接あり、本年度はこちらを優先して進めていく予定である。また、鹿島地区コンビナートの調査・研究でやり残したものを引き続き行う。千葉・市原・水島地区コンビナートの調査・研究は少し着手に遅れるが、合わせて行う予定である。 本研究の目的は歴史的アプローチから各コンビナートの調査・研究を元に比較検討を行い、分類・理論化し、日本の石油・石化産業の国際競争力の構築策を提言することである。この研究で得られたコンビナートの国際競争力構築策は、石油・石化産業関連者、特区申請を行っている地方自治体関係者に研究成果を還元し、政策提言をすることも目的としている。今年度の学術的研究成果は、『エネルギー史研究』(九州大学)で公表することを目標としている。また、国際学術会議(ICIM、韓日経済経営国際会議)等において報告したい。
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Research Products
(9 results)