2016 Fiscal Year Research-status Report
日本企業におけるコーポレート・ガバナンスと企業倫理制度の機能不全に関する研究
| Project/Area Number |
26380493
|
|---|
| Research Institution | Kindai University |
|---|
Principal Investigator |
芳澤 輝泰 近畿大学, 経営学部, 准教授 (20385503)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | コーポレート・ガバナンス / 企業倫理制度 / 内部統制 / コンプライアンス / ＣＳＲ / 企業不祥事 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、各企業において不正防止策が幾十にも重なる形で構築されているにも関わらず、なぜ企業不祥事はなくならないのか、なぜコーポレート・ガバナンスや企業倫理制度が有効に機能しないのか等について明らかにすることにある。こうした問題に対して平成26年度に関しては、東横イン、ヤマト運輸、すき家（ゼンショー）、およびくら寿司（くらコーポレーション）の４社に対して、これまですでに行ってきていた聞き取り調査の結果などを中心に、その状況と不祥事が発生する構造について取りまとめた。また、大阪トヨペットとオリンパスの２社については、文献調査を中心に不正防止制度の悪用の実態を調査した。なお、これらの聞き取り調査と文献調査の結果は、平成26年７月に出版社へ原稿を提出し平成27年３月に出版された（芳澤輝泰「共生経営に向けた企業内制度と外部機関の取り組み」重本直利編著『ディーセント・マネジメント研究』晃洋書房）。
平成27年度に関しては、平成26年改正会社法（平成27年５月施行）やコーポレートガバナンス・コード（平成27年６月施行）に対する各社の取り組み等を取りまとめ、編著者へ平成27年９月に原稿（論文２本）を提出した。ただし、翌年２月の予定であった出版が編著者の体調不良により編集作業が遅れることとなり、現在まだ出版されていない（中央経済社は出版予定証明を発行）。
平成28年度は、文献調査を中心に研究を進め、また建材ビス国交省不正認定書事件を起こした兼松日産農林の前社長と、すでに店舗における調査は実施済みである東横インの内部監査室長等に対して聞き取り調査を行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究が予定通り進まなかった理由は、学会役員（寄稿編集委員）の業務と私の体調不良にある。
学会の編集委員の問題は、中京地区のある大学の会員が複数の論文で盗用（自己剽窃もある）を行い、学会副会長や関西部会の全理事等多くの会員が論文取り下げを訴えているにも関わらず、学会長（科研審査員の経験有り）と寄稿編集委員長らがそれに応じず、これに対して膨大な時間（休日も会議を実施等）を浪費してしまっている。これら盗用論文は、科研の業績としても申請されている。昨年10月の全国大会の理事会および会員総会で学会長は問題とされている論文の盗用を認め取り下げすることを断言されたが、半年以上経過した現段階でも取り下げはなされていない。なお、盗用を行った会員と同じ大学の他の会員らは二重投稿などの問題も起こしており、これらの対処に向け、副会長や関西部会長らとともに対応にあたっている状況にある。
体調不良の件は個人情報になるため、社会的に公開される本報告書に詳細な記載は避けることとするが、内容は「補助事業期間延長申請書」に示した通りである。以上が研究の進展が遅れることとなった主な理由である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
聞き取り調査を中心に、当初の計画をスピードを上げて実施していく予定である。
|
| Causes of Carryover |
「現在までの達成度」で述べた理由にともない、未執行経費が発生した。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
延長申請を認めていただいたので、当初計画していた予算をこの1年で執行していく予定である。
|
Research Products
(1 results)
