2016 Fiscal Year Research-status Report
若者と家族のストレングスに焦点をあてた早期支援・過渡的支援プログラム開発
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26380764
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
藤島 薫 東京福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (90530121)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 若者支援 / ストレングス / 解決志向 / 家族 / 複合的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
若者支援をエコロジカルモデルとストレス‐脆弱性‐対処モデルの視点から捉えることが本研究の特色ということから、子どもに関わる保護者、支援者に対する効果的介入を検討し解決志向アプローチをベースとしたプログラムを試みた。プログラムの内容は子どもや若者の問題点にフォーカスするのではなくストレングスやリソースにフォーカスすることで、子どもや若者が自信と誇りを持つことを目的としたものである。プログラムを実施した児童ディサービスの支援者に対してはフォローアップを行い実施後の効果について聞き取りを行い一定の効果を確認することができた。 また、学校現場における若者のメンタルヘルスに対しての支援状況を把握するために、中学校および高等学校の養護教諭、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを対象としたアンケート調査を行った。調査内容は学校の基礎調査、保健室登校状況、支援を行った生徒のメンタルヘルス状況、実際に行った支援方法、支援を行う上で促進要因となったもの及び阻害要因となったもの、メンタルヘルスの背景的要因、今後の取り組みに関する課題、などである。高い回収率を得ることはできなかったが、自由回答も含め、教育現場における支援状況の困難さを把握することができた。 また、本研究に有益であると思われる解決志向アプローチに関する文献レビューを行った。さらに、先駆的事例として様々な課題を抱えた若者を解決志向アプローチによって受け入れている高等学校の代表者と意見交換を行い、今後の研究推進の重要な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
若者と家族の複合的支援プログラムを開発し介入調査の効果測定が最終段階の研究内容であったが、研究を進めるなかで有効と考えられる新たなアプローチを知見として得たことから、その分野について先行資料をレビューすることに時間を要した。 また、平成27年度までに研究計画では、必ずしも精神病状態の閾値になっていないが、なんらかの心身の不安定さで社会生活に困難をきたしている若者(主に中学生・高校生)に対してどのような支援が提供されているのかについて実態調査を行い分析することとなっていたが、介入アプローチの先駆的事例調査と支援者への試行的実施を優先したことで、その調査は平成28年度に実施することとなったことも遅れていることの要因である。さらに、全国の中学校・高等学校に配属されている養護教諭、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー対象とした調査であるが、その調査項目の検討に時間を要したことで調査実施が遅れ、その分析結果に基づいて実施予定であった半構造化面接によるフォーカス・グループ・インタビューが次年度へと先送りすることとなってしまった。それに連動する形で、若者と家族および支援者の複合的な介入も同時に遅れる形となり、合わせて次年度に実施し研究をまとめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成28年度に実施した中学校・高等学校に所属する養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーへのアンケート調査を分析しまとめる。分析結果に基づき半構造化面接の質問項目を検討し調査協力者(養護教諭、若者支援者など)を依頼し調査を実施する。 平成28年度までに試行的に実施していた支援者に対するプログラムを上記の分析結果を合わせ検討し若者と家族および支援者に対応するプログラムを開発し実施、およびその介入結果を分析する。 研究の最終年度となることから、これまでの調査結果のまとめ作業に入り、報告書の作成、所属学会および機関への発表、論文投稿を行い社会に発信していく。
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Causes of Carryover |
若者と家族の複合的支援プログラムを開発し介入調査の効果測定が最終段階の研究内容であったが、研究を進めるなかで有効と考えられる新たなアプローチを知見として得たことから、その分野について先行資料をレビューすることに時間を要した。 上記の影響もあり、介入調査を依頼していた施設に再調整をした結果、最終年度では難しく来年度以降であれば可能となった。 また、平成28年度に実施した全国の中学校・高等学校を対象にアンケート調査の分析結果を踏まえインタビュー等による質的調査を行うため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
①中学校・高等学校調査結果の分析に基づいたインタビュー調査にかかる旅費交通費および研究協力者への謝金。 ②若者と家族の包括的プログラム介入調査にかかる旅費交通費および研究協力者等への謝金。また、プログラムに必要となる文具など。 ③研究成果発表にかかる旅費および印刷代など。
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Research Products
(2 results)