2015 Fiscal Year Research-status Report
プレゼンテーションを通した論理的文章表現の学習指導に関する基礎的研究
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26381192
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 一貴 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (30345772)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 書くことの学習 / ライティング / 論理的文章 / プレゼンテーション / 対話 / 中心文 / リフレクション / ジャンル |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校、中学校で研究計画に基づく授業を計画、実施した。授業は小学校で2つの単元、中学校で1つの単元を行った。その中から小中それぞれ1つの授業について授業研究の立場から論文(2編)を発表した。また、研究目的の(1),(2)に沿った学習過程の分析、記述方法について2つの論文を発表した。 小学校で実施した授業は、学校内の動物飼育に関する仕事の内容について写真をもとに説明・発表する(4年生)、さまざまな資料の中の図やグラフを用いて自分たちの生活の立場から説明・発表する(6年生)というものである。中学校で実施した授業は、プレゼンテーションソフトを用いて、修学旅行の報告を行うというものである。いずれも、複数の資料を参照しながら、グループと全体での発表を通して、トピック・話題に反映された声への言及を問題としながらひとまとまりのテクストを書いていく学習を意図している。 これらの授業実践は教科書教材に基づいている。教科書では、発表の準備や資料の作成方法といった手順が一般的に示されているが、本研究においてはグループや実際の発表の活動自体に学習の契機があり、それを学習者がいかに内省し学習につなげていくかを明らかにしている。このプロセスについて、授業の方法と学習者の実際を論文において提示している。 分析方法については、相互関連性(reciprocity)の概念に基づいた学習者にとっての意味の生成ならびにその変容に関する研究を整理、検討した。またナラティブ研究の方法に基づき、学習過程におけるトピック、キーワードの反復を意味の生成の指標として分析する方法を論じた。これらは、上の授業実践の基礎となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的の(1)~(3)に関わる授業実践、学習過程の調査・分析、分析方法の検討を進めた。授業実践と学習の実際を具体的に示すことにより、プレゼンテーションを通した文章表現の学習の方法を提示した。小学校、中学校における授業分析の研究を進めたが、計画していた高等学校での授業調査については日程等の都合により行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に実施した3つの授業実践について、授業実践に加えて書き手の意味の生成と変容について分析を進め、学会で口頭発表するとともに論文にまとめる。小学校においては、論理的な文章表現の学習として中心文と意味的なまとまりがいかに構築されるのかを中心に明らかにしていく。中学校においては、プレゼンテーション活動において中心的要素が学習者にとってどのように把握され、あらたな意味のまとまりを構築していくのかに焦点を当てて分析、考察を行う。
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Causes of Carryover |
「人件費・謝金」について、調査データの文字化の方法の検討に時間を要したため、実際の文字化の作業にあてる時間が十分にとれなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
授業調査のデータの文字化を進めるとともに、中学校、高等学校での授業実践を計画しているため、「その他」「人件費・謝金」の支出を予定している。
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Research Products
(4 results)