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2014 Fiscal Year Research-status Report

数学教育学における協同的問題解決の学習に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 26381205
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

矢部 敏昭  鳥取大学, 地域学部, 教授 (50230298)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords協同的問題解決 / 学習過程 / 21世紀型知識構成観 / 人間の主体化 / 建設的相互作用
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的の一つである協同的な問題解決の学習過程に関しては、21世紀型の知識構成観に基づき、1)作り上げる知識については「問題の構成」および「解決の見通しと遂行」の過程を位置づけ、2)使える知識については「手続きと結果の議論」および「活用と評価」の過程を位置づけた。人と人との関わりの中で思考し行動する人間(学習者)の育成をめざし人間の主体化から学習を構成・展開したものである。
また、本年度は、全国の実践協力校として25校において、協同的問題解決の学習過程を展開した。その内訳は、小学校20校、中学校5校の計25校である。学習過程の構築に向けては、新たな数学教育学の教育的価値として、1)知識獲得の手立てそのものを学ぶこと、2)獲得した知識を実践に結び付けること、3)対話により知識を作り上げること、4)数学的に考えること自体を学ぶこと、を位置づけたものである。とりわけ、中学校第2学年の「式の計算」の実証的検証において、協同的な学びの「対話の様相」に焦点を当てた建設的相互作用の様相の分析と考察も行ったものである。協同的な学びが起こる学習状況に関しては、すでに提出し5つの学習状況をもとに、「人はいかに問題を解決するか」から、「人はいかに学ぶのか」への転換に向けての意味づけを行ったものである。
さらに、学習の指導原理に関しては、学習者のわかり方の多様性を保証し、かつ、学習者の主体性から集団を構成する協同的学びについて、教師の支援と子どもが発する問いの様相を考察の対象として分析したものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

全国の実践協力校25校の学習到達度は、鳥取県をはじめ、高知県、京都市、そして兵庫県においてその成果が研究発表大会で示すことができた。学力の一側面ではなるが、全国学習状況調査においては、各県内の中で特に秀でた結果を挙げていることは確かな証である。また、特に我が国の子どもたちに欠けていることが指摘される活用問題(B問題)について大きく向上していることは、単なる基礎的な知識・技能の獲得にとどまらず、応用的な学ぶ力である「使える知識」の獲得につながっていると言えるものである。
教科教育学の1つの使命である「よりよい実践への反映」に関して、授業評価の対象は学習の成果としての「結果」から「過程」に視点を向けていくことが喫緊の課題であり、本研究を通じて具体的に明らかにしていくことも、本年度においてその一歩が踏み出せたと考えるものである。

Strategy for Future Research Activity

今後の推進方策の第一は、協同的な問題解決の学習過程に関して更なる先行研究と文献研究により、「実践的検討→理論的再構築」の一連のプロセスを繰り返し、実践可能な普遍妥当性を有する学習理論と指導方法の原理を追及することである。
第二は、授業評価の対象を一層明確にし、学習成果としての「結果」から「過程」への転換に向けた実践者側に立った目標-評価論の構築である。具体的には、学習の「過程」を評価の対象にする場合に「何を変えるのか」、そして「何が変わるのか」を明確にし、実証的検証として授業そのものの観方を変えるとともに、学習様式の転換を図るものである。
第三は、次代を見通した研究成果としての書物と映像化である。今年度12の実践事例を映像化したことを踏まえて、授業の「質」に焦点を当てた書物とDVDの作成を行い、全国の授業実践に向けた一般化を図ることを考えるものである。

Causes of Carryover

全国協力実践校との研修会、及び授業研究会において、授業映像記録用の機器や保存のためのハードディスク等が予定額より少なくて済んだこと。また、研究資料をまとめるための製本費等が少額で済んだことが理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

翌年度においては、全国の実践協力校が新たに増えるため、授業研修会や研修協議の旅費や、授業映像記録および研究資料の製本費として使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 3 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 算数・数学を学ぶ理由2015

    • Author(s)
      矢部敏昭
    • Journal Title

      理数啓林

      Volume: 8 Pages: 1-6

    • Open Access
  • [Journal Article] 数学教育学における協同的問題解決の学習(2次研究)2015

    • Author(s)
      矢部敏昭 西山章 藤田綾 河上英仁
    • Journal Title

      鳥取大学地域学部 地域学論集

      Volume: 11 Pages: 171-179

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 協同的問題解決の学習-集団を基本とした学びの様式の転換-2014

    • Author(s)
      矢部敏昭
    • Journal Title

      新しい算数研究

      Volume: 524 Pages: 4-7

    • Open Access
  • [Presentation] 協同的な問題解決の学習-学びの様式の転換-2014

    • Author(s)
      矢部敏昭
    • Organizer
      日本数学教育学会
    • Place of Presentation
      米子コンベンションセンター 国際会議場
    • Year and Date
      2014-07-28 – 2014-07-30
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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