2015 Fiscal Year Research-status Report
ケロイド発生における局所、全身、遺伝因子の相互作用機序の解明
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26462737
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小川 令 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70398866)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / ケロイド / 肥厚性瘢痕 / 瘢痕 / 血管内皮細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 線維芽細胞 / メカノバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ケロイドは、いまだ難治であり発生機序の解明が困難な皮膚の線維増殖性疾患である。本研究では、ケロイドの発生機序を①遺伝因子、②全身的因子、③局所因子の3点において、横断的・総合的に解明している。①遺伝因子として、一塩基多型(SNPs)の関与が示唆されており、また②全身的因子としてはホルモンや高血圧、また血中の骨髄由来細胞の関与が示唆されている。一方、③局所的因子に関しては、力学的刺激の重要性、そしてメカノシグナル伝達経路の関与をわれわれは報告してきた。本研究では、これら三要素の相互関係を、遺伝子発現解析、シグナル伝達経路解析を通じて、臨床像の疫学調査ならびにバイオインフォマティクスの手法を用いて明らかにすることを行っている。 具体的には昨年度に続き、②全身的因子に着目し、血管にターゲットを絞って解析を行った。ケロイドの組織から血管内皮細胞を分離することに成功し、遺伝子発現やタンパク発現の解析を進めている。さらに骨髄由来の、血管内皮前駆細胞を分離・培養することも行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度、全身的因子の解析として血管内皮機能の調査を行い、ケロイドの発症と関連性があることが示唆され、この研究によって当初の計画が少し遅延したが、組織から血管内皮細胞を分離、また血液から血管内皮前駆細胞を分離することが可能となったため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に、ケロイドに関する全身的因子、また局所因子の相互作用の一部を解明できる可能性が高いと考えている。
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Research Products
(2 results)