2014 Fiscal Year Research-status Report
ソノポレーション法を使用したHDAC阻害剤の導入による口腔癌治療法の開発
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26861745
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
高橋 理 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50611092)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノバブル / Drug Delivery System |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体へのダメージが少なく、効率よく局所への遺伝子・薬剤導入を可能にするDDS(Drug Delivery System)として、ソノポレーション法に着目した。今回は、ソノポレーション法に、扁平上皮癌細胞の表層に過剰発現しているEGFRの抗体抗原反応を併用した新しい遺伝子導入法を開発することを試みた。さらに、in vivoでの研究も行い、標的細胞へより特異的かつ効率的に遺伝子・薬剤を導入する方法を臨床応用できないか検討する。 現在、マイクロバブル(直径1~10μm)よりもさらに小さなナノバブル(直径400~500nm)のほうがより効率的に遺伝子を導入できることが知られているため、今回はナノバブルを微小気泡として使用する。使用材料としては細胞:Ca9-22cell(ヒト歯肉扁平上皮癌細胞)528cell(抗EGFR抗体産生細胞)、リポソーム:ナノバブル、プラスミド:pVIVO1-GFP/LacZ、超音波照射装置:ソニトロン2000(Rich mar Inc.)である。 現在までの結果として、Ca9-22cell(ヒト歯肉扁平上皮癌細胞)と528cell(抗EGFR抗体産生細胞)の上清を混合し、蛍光免疫染色を行い、Ca9-22cellにEGFreceptorが発現していることを確認した。またソノポレーション法の効果を確認するために、Ca9-22cellへのpVIVO1-GFP/LacZプラスミド導入を行った。その後X-gal染色で、導入効率を確認した。 in vivoでの研究としてはヌードマウスにCa9-22cellを皮下注し担癌マウスを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroにて歯肉扁平上皮癌細胞への薬剤の導入が十分可能であることが解明でき、また抗体をリポソームに反応させることによって、薬剤の導入効率の向上も確認できた。 またin vitroでの実験を踏まえて、ヌードマウスによろin vivoでの研究も順調に進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
リポソームの特性を最大限に活用するために、リポソームの精製を行っている帝京大学薬学部との共同研究を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度はin vitroでの研究において抗体を使用した導入効率の向上までしか研究できておらず、抗癌剤などの導入薬剤の検討ができなかった。 またバブル製剤についてもリポソームのみで実験を行っており、製品化されたバブルとの比較ができていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
いち早く臨床応用へ近づけるため、ヌードマウスによるin vivoでの研究を行う。またヒトへの応用を考え、承認済みのバブルや抗癌剤による研究も積極的に進めたい。
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