1990 Fiscal Year Annual Research Report
健康観・保健行動の転換とその把握方法及び理論化に関する研究
Project/Area Number |
63400004
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
園田 恭一 東京大学, 医学部(医), 教授 (20009898)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉沢 秀博 東京都老人総合研究所, 社会学部, 研究員 (60201571)
吉田 亨 東京大学, 医学部, 助手 (80174936)
山崎 喜比古 東京大学, 医学部, 助手 (10174666)
佐久間 充 東京大学, 医学部, 助手 (90010066)
川田 智恵子 東京大学, 医学部, 助教授 (60010013)
|
Keywords | Traditional Medicine / Holistic Health / 陰陽学説 / 日常的な健康法・治療法 / Netーworking / 健康増進の評価 |
Research Abstract |
1)Traditional MedicineやHolistic Healthに関しては、(1)文献研究を通して、中国医学の基礎理論と哲学の源は『周易』の陰陽学説と『決範』の王行学説にあり、これは一方での『黄帝内経』にみられるように優れた医学として発展し、他方では、日常的な治療法や健康法として、人体の全体性と統一性、そして何よりもバランスを重視する自己健康管理法とつながっていることを明らかにした。また、(2)調査研究として、中国の上海において住民の治療法や健康法に関する調査を実施し、中国では、健康に対する意識と、体質、環境、対人関係、心身の陰陽平衡とが密接に関連している、との見方が強いことが明らかにされた。 2)Netーworkingに関連しては、喘息児をもつ母親たちの自発的、組織的な活動についての調査を行ない、親同士の交流の深さは、いらだちが少なく、成長感を促す方向に作用していること、また、自律的活動をしている親の会加入者の方に、より強くその傾向がみられ、同じ問題を抱える者同士が支え合い、情報を交換し合う場所が必要とされていることが明かとなった。また、かかりつけの医師に満足している者ほど発作時の対応に自信を持っていること、そして、満足している者でその半数以上がこれまでに医師を変更し、医師が喘息の専門医である率が高いことも明かとなり、母親たちは、かかりつけの医師に専門医を求め、それが満足とつながっていることが分かった。 3)健康増進の評価に関連しては、全国の市町村のうちより675を選定して郵送によるアンケ-ト調査を行ない、健康づくり活動の理念(考え方)、具体的な目標、推進体制、達成度合いなどについての回答を得、現在集計分析中である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 園田 恭一: "健康概念とヘルスプロモ-ション" 日本保健医療行動科学会年報. 5. 24-36 (1990)
-
[Publications] 園田 恭一: "セルフ・ケア・グル-プの意義と課題" 保健婦雑誌. 46. 861-867 (1990)
-
[Publications] 山崎 喜比古,三田 優子: "セルフ・ヘルプ・グル-プに関する理論及び論点の整理と考察" 保健医療社会学論集. 1. 76-87 (1990)
-
[Publications] 川田 智恵子: "健康教育の最近の動向" 保健の科学. 33(3). (1991)
-
[Publications] Tohru Yoshida,Kyoichi Sonoda: "Activities and functions of diabetic patient groups in Japan" The Proceedings of 1990 International Symposium on Health,Environment,& Social Change.
-
[Publications] 杉沢 秀博、園田 恭一: "中高年齢者の保健行動にかかわる要因に関する研究ー神奈川県と米国オハイオ州における調査結果の比較ー" 日本公衆衛生雑誌. (3). (1991)
-
[Publications] 宮坂 忠夫,川田 智恵子 編著: "新版 保健講座第7巻 健康教育論" メヂカルフレンド社, (1991)
-
[Publications] Lowell S.Levin et al.著 佐久間 充 訳: "アメリカ医療の告発と提言" 勁草書房, (1991)