2015 Fiscal Year Annual Research Report
非対称モノマーの配列を鍵とした巨大双極子π造形
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
15H00989
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 建 (アルブレヒト建) 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (50599561)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デンドリマー / カルバゾール / 熱活性化遅延蛍光 / ベンゾチアジアゾール / ナノ材料 / 双極子モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではカルバゾールのように非対称で双極子モーメントを有するモノマーを連結することで巨大な双極子モーメント有する分子を合成し、その電気・光物性を明らかとすることを目的としている。また、新学術領域研究であるため、領域内での共同研究を通じて領域目標を達成することも目的としている。 本年度はカルバゾールを樹上に配置したカルバゾールデンドロンが大きな双極子モーメントを有しており、分極した電子構造を有していることに着目してアクセプターを結合した分子を合成した。この分子が熱活性化遅延蛍光を示すこと明らかとした。このデンドリマーに関してはA02班の山本Gと自己組織化に関する共同研究を推進しており、複数回の学会発表を行った。さらに、カルバゾールデンドリマーに関してA01班の武田G、重野Gと新規物質の合成を目指した共同研究を行い、A03班の竹延Gとはデバイス化の研究を、中野Gとは非線形光学特性に関する理論計算の共同研究を実施している。 この他にもカルバゾールとベンゾチアジアゾールの結合した分子を繰り返し単位とした新規デンドリマーの合成にも成功した。基礎的な吸収・発光特性について測定した他、計算化学とNMR測定などから興味深い電子構造を有していることを明らかとした。今後、領域内の共同研究も含めて特異なπ電子系に基づく機能発現を探索する。 こうした研究について領域会議などで他研究者とディスカッションをしており、今後の研究推進に有用なアドバイスも得るとともに、新たな共同研究の実施で合意することも出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでにカルバゾールという非対称な分子が配列し、大きな双極子モーメントを有するカルバゾールデンドリマーによって熱活性化遅延蛍光を示す分子の開発に成功している。また、カルバゾールとベンゾチアジアゾールからなる新規デンドリマーの開発にも成功している。新学術領域内における共同研究も進展しており概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
独自の物質であり、大きな双極子モーメントを有するカルバゾールデンドロンを使用して新規なπ電子系物質を開拓していく。特に、光・電子物性の計測を行うことで物性を明らかとする。 また、新学術領域内での共同研究をより一層深化させることで領域の発展に資する研究成果を得る。
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Research Products
(15 results)