2015 Fiscal Year Annual Research Report
断層面の不均一性と地震発生過程に関する実験的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Crustal dynamics-Unified understanding of intraisland deformation after the great Tohoku-oki earthquake- |
Project/Area Number |
15H01144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 哲生 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466783)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地震 / 摩擦 / ゲル / スティックスリップ / その場可視化 / 応力場 / PIV解析 / アスペリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.摩擦実験装置の製作:ゲル材料同士を接触・摩擦させ,地震サイクルを観測するための実験装置を構築した. 2.ゲル材料の選定および表面凹凸を付与したゲル‐ゲル摩擦実験:十分な強度をもったゲル材料の選定を行った.その結果,シリコーンゲルがもっとも適していることが分かった.次に,シリコーンゲルの表面に対して,金型からの転写により凹凸を付与した.ゲル形状としては,奥行き方向を薄くした擬2次元系の試料を作成した. 形状,配置,密度などの設定を行い,さまざまな凹凸表面を作成した. 3.可視光による応力場・固着状態推定方法の実装:ゲル表面あるいはその近傍に多数のマーカーを配置し,PIV解析することによって変位場を求める手法を開発した.また,得られた変位場から,静的グリーンテンソルを用いて,インバージョン解析から応力場を推定する枠組みを構築した.また、全反射照明法を用いた真実接触状態の可視化については現在検討中である. 4.弾性波を用いた断層面固着状態のモニタリングに関する予備実験:ゲル表面にインパルス入力された弾性波がゲル‐ゲルの接触面を透過・散乱する様子を,マーカー粒子の変位場を画像解析することによって計測した.接触面の固着状態を推定する手法については,検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置の開発については,剛性の問題やノイズの混入などの問題に直面したが,最終的にはほぼクリアできた.また,試験片ゲル材料の選定,地震サイクルの予備実験,可視化手法の開発については,当初計画していたスケジュールで順調に進んだ.まだ学術雑誌に投稿できるような十分なクオリティをもつ成果は出ていないが,翌年度に向けての準備はおおむね完了している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度構築した実験系を用いて系統的な実験を行い,スティックスリップの素過程の詳細な観察や応力・ひずみ場の可視化などを通して,室内実験における地震発生サイクルの特徴づけに関する研究を行っていこうと考えている.より具体的には,表面凹凸によって誘起されるスティックスリップの集団挙動に関する実験や,弾性波を用いた固着状態推定手法の摩擦実験系への統合,試験片に流体を注入することで,流体移動による固着状態や地震活動への影響を評価する実験研究などを予定している.また,研究の総括として,学術雑誌へ投稿するほか,ホームページ上に成果を公表するなどのことを行いたい.
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Research Products
(7 results)