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2015 Fiscal Year Annual Research Report

競合する勝ち組-負け組細胞の代謝を介した相互感知と細胞特性獲得の分子基盤

Publicly Offered Research

Project AreaCell competition: a mechanism for survival of the fittest in the multi-cellular community
Project/Area Number 15H01498
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

松田 七美  早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 招聘研究員 (70360641)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords細胞競合 / エネルギー代謝 / 細胞増殖 / 細胞死 / Myc
Outline of Annual Research Achievements

細胞競合とは、多細胞生物の器官において、増殖が速く生存能の高い細胞群(勝ち組)が、増殖が遅く細胞死によって排除される細胞群(負け組)に競合し、細胞の増殖、細胞死、周期、分化などが統合的に制御されることにより、一定の大きさと機能をもつ器官が形成される現象である。申請者は、ショウジョウバエの翅原基、及び培養細胞株を用いた独自のモデルを確立し、がん遺伝子c-MycのショウジョウバエホモログdMycにより細胞競合が制御されることを見いだした。また予備的解析より、競合細胞の運命決定に、それぞれの細胞の代謝ステータス変化、及び分泌因子が関わることを見いだした。
本研究課題では、上記モデルを用いたメタボローム解析、プロテオーム解析、エクソソーム解析、ATP動態解析を行い、新規細胞競合制御因子の同定し、エネルギー代謝制御に関わり、競合する細胞の相互感知と細胞特性決定に関わる分子機構について明らかにする。平成27年度は、メタボローム解析による細胞内の代謝中間体動態の網羅的解析を行い、勝ち組、あるいは負け組となる細胞の適応性を決定づける代謝変化に関連する因子についてスクリーニングを行った。勝ち組、あるいは負け組となる細胞において、競合に伴い変動する候補因子(33因子)を同定した。さらに、競合により勝ち組、あるいは負け組となる細胞が分泌する液性因子、及び分泌小胞(エクソソーム)内包因子の探索系の構築を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題では、エネルギー代謝制御に関わり、競合により勝ち組、あるいは負け組となる細胞が互いを感知し、それぞれの細胞特性を決定する際の分子実体として、新規の細胞競合関連因子を同定し、エネルギー代謝が関わる細胞競合の分子機構を解明する。以下の2つの研究プロジェクトを遂行する。
① 競合する細胞が分泌する液性因子、及び分泌小胞(エクソソーム)内包因子の探索
② ①の候補因子に対する評価: メタボローム解析、及びATP動態ライブイメージングを用いた競合する細胞の代謝ステータス変化を指標とする新規細胞競合因子の機能解析
<プロジェクト①> メタボローム解析については、概ね順調に研究が進展している。これまでに、間接共培養系を用いた細胞競合のin vitroモデルにおいて、勝ち組、あるいは負け組となる細胞として、高dMyc細胞、及び低dMyc細胞において、メタボローム解析を行い、エネルギー代謝変化と細胞特性決定機構との関係を明らかにするための解析系を構築した。この解析系を用いて、勝ち組、あるいは負け組となる細胞において、競合に伴い変動する候補因子(33因子)を同定した。さらに、in vitro細胞競合モデルを用いて、競合する勝ち組、あるいは負け組細胞群から分泌される液性因子(代謝中間体)について、メタボローム解析を用いた新規細胞競合制御因子の網羅的なスクリーニング系を確立を進めている。また、in vitro細胞競合モデルにおいてエクソソーム解析を用いた分泌小胞内包因子のスクリーニング系の構築を進めている。
<プロジェクト②> ①で同定した候補因子の2次評価系として、in vitro、及びin vivo細胞競合モデルを用いて、代謝ステータス変化を指標したメタボローム解析系、及びATP動態ライブイメージング解析系の確立を進めている。

Strategy for Future Research Activity

<プロジェクト①> in vitro細胞競合モデルを用いて、競合する勝ち組、あるいは負け組細胞群から分泌される液性因子(代謝中間体、及び蛋白質)、及び分泌小胞内包因子(microRNA、及び蛋白質)について、メタボローム解析、プロテオーム解析、及びエクソソーム解析を用いた新規細胞競合制御因子の網羅的なスクリーニング系を確立し、候補因子の同定を行う。

<プロジェクト②> ①で同定した候補因子の2次評価系として、in vitro、及びin vivo細胞競合モデルを用いて、以下の代謝ステータス変化(i)、(ii)を指標したメタボローム解析系、及びATP動態ライブイメージング解析系を確立し、候補因子の機能解析を行う。
(i) 勝ち組、及び負け組の細胞特性の獲得: 勝ち組細胞における好気的糖代謝の亢進
(ii)勝ち組、及び負け組の細胞特性の逆転: 勝ち組細胞における好気的糖代謝の喪失

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Mycにより制御される細胞競合の分子機構2016

    • Author(s)
      松田七美
    • Journal Title

      医学のあゆみ

      Volume: 257 Pages: 285-292

  • [Presentation] がん遺伝子Mycによるエネルギー代謝制御を介する細胞競合の分子機構2015

    • Author(s)
      松田七美
    • Organizer
      生物物性科学研究会
    • Place of Presentation
      秩父
    • Year and Date
      2015-08-23 – 2015-08-24
    • Invited
  • [Remarks] 早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 生命医科学科 細胞競合 ホームページ

    • URL

      http://www.aoni.waseda.jp/nanami.s.matsuda/

URL: 

Published: 2017-01-06  

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