2014 Fiscal Year Annual Research Report
大型液体キセノン検出器XMASSを用いた超新星ニュートリノの観測
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
26105505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平出 克樹 東京大学, 宇宙線研究所, 特任助教 (10584261)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超新星ニュートリノ / 液体キセノン / シンチレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
大型液体キセノン検出器XMASSにおいて超新星ニュートリノの観測を行うにあたり、光学的な観測や他の大型ニュートリノ検出器と事象の発生時刻を照合するを照合する必要があるため、XMASS検出器において観測事象の時刻を精度よく記録できるようにした。GPS受信機からの1PPS(1パルス/秒)信号をトリガーシステムに取り込み、各事象の発生時刻は直前の1PPS信号からの時間差をトリガーボードの50MHzクロックでカウントすることにより求められる。また、外部NTPサーバに同期したコンピュータにより各1PPS信号のUnix時刻が記録される。これまでのところ、安定したシステムの運用が実現できている。また、検出器内表面に設置されているLEDを用いたトリガー効率測定や、その安定性をモニターする準備を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、GPSを用いた絶対時刻の較正システムの導入を行って、安定したデータ収集を実現した。また、平成27年度に行う予定である、LEDを用いたトリガー効率測定やその安定性をモニターする準備を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、安定したデータ収集を続けながら、トリガー効率の測定およびその安定性の監視を行う。また、これまでに収集したデータの解析を進める。超新星ニュートリノ事象の探索では、イベントが時間的に集中して起こっている“クラスタ”を探すことになる。このときに、最も大きなバックグラウンドとなるのが、PMT が内部で放電を起こして連続的に発光する“フラッシャー”事象である。この識別には各PMT の光量・ヒット時間のパターン情報を用いる。このスタディには、既知の“フラッャー”PMT(通常は電源を落としてある)を用いて“フラッシャー”事象のコントロールサンプルを作成し、識別能力の評価を行う。最終的に、約1年分のデータを用いて超新星ニュートリノ事象の探索を行う。
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Research Products
(1 results)