Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
光化学治療(Photodynamic Therapy : PDT)は、腫瘍選択性を有する光感受性物質を静注し、病変部にレーザー照射を行うことで、腫瘍壊死を引き起こす癌治療法である。このPDTが、癌細胞にアポトーシスを誘導しやすいことは以前より報告されている。癌細胞に対するアポトーシス誘導は、ネクローシス誘導に比べて、刺激後早く細胞死が訪れるだけでなく、炎症症状が出にくいために、有利な治療法と言える。現在、世界的にレザフィリンを使用したPDTが注目され、国内でも臨床試験が行われ著効率約80%の結果が報告されている。ところが、レザフィリンPDTとテガフール化学治療の併用によってどのように殺細胞効果が変化するのか、また誘導されたアポトーシスがどのシグナル経路に影響するのかについては未だ報告されていない。私は、数種類の培養癌細胞において、PDTとテガフール療法を併用し、殺細胞効果とアポトーシス誘導効果について、vitroとvivoにおいて相乗効果を確認した。