Project/Area Number |
19K14395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Tokoha University (2023) Hamamatsu Gakuin University (2019-2022) |
Principal Investigator |
渡辺 涼子 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (70360203)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 認知症高齢者 / ナラティヴ・アプローチ / 教授学習過程 / 希望 / フィンランド / 認知症介護 / 作業療法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ナラティヴ・アプローチと教授学習過程論の立場から,認知症介護における介護者の関わりの意義について,認知症高齢者と介護者間で形成されるナラティヴ(物語)の構造と介護者側の学習過程の分析を通して明らかにすることを目的とする.介護時のナラティヴのうち,特に「希望(現実世界に対する将来の可能性)」に関するナラティヴに注目し,日本とフィンランドの高齢者施設の作業療法場面を比較検討しながら,作業療法士が生成する「希望」の意味や「希望」の生成に向けた介護者の学び,更に両国の社会的文化的特性を質的に検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ナラティヴ・アプローチと教授学習過程論に基づき、認知症介護における「希望(認知症高齢者にとって望ましい可能性)」のナラティヴの生成過程と、そこでの介護者の関わりや学びを明らかにすることを目的とする。 2023年度は研究の最終年度として、日本とフィンランドの高齢者施設での観察調査と研究所訪問等を予定していたが、感染症の流行等から対象施設での観察は引き続き困難であった。そのため、フィンランドの作業療法士にはメールで、日本の作業療法士とは対面で定期的にインタビューを実施した。また、アメリカ・フィンランド・スウェーデンの研究者たちとメールやオンライン・ミーティングにより意見交換を行い、研究の理論面の検討と共に書籍(Brill社)原稿の共同執筆を進めた。更にアメリカ(NY)の認知症介護コミュニティ(Reimagining Dementia)とオンラインでの交流を行い、認知症の「希望」の生成における海外の実践について情報・意見交換を行った。 上記の活動から理論面の展開として、希望の構築は「認知症高齢者ー想像世界ー介護者」の三項関係として記述されるが、想像世界を現実世界の活動や高齢者の生活史と関係づけながら、参加者にとってより豊かな意味を持つものにすること、更に高齢者とともに想像世界に働きかけながら自身のあり方(ways of being)を変える介護者の関わりが、希望の生成に重要であることが改めて示唆された。この過程は大人と子どもが想像世界を協働して構築するプレイワールド論(Marjanovic-Shaneら, 2011)に共通するものであり、幼児期の想像遊びと認知症介護での想像世界の創出がどのように関わり合うか、生涯発達の視点から更なる検討が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
感染症の流行に伴い国内外の高齢者施設での観察調査が困難な状況が続いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度として、高齢者施設の観察調査と海外の研究機関訪問を予定している。それらが困難な場合は、オンラインでの観察・面接調査やミーティングに替えて実施する。更に必要に応じて、研究者が過去に収集したデータも分析対象に含めながら、研究を論文としてまとめる。
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