Introduce and Evaluate .b Program, a UK Mindfulness Program for Japanese Children
Project/Area Number |
20K03332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
芦谷 道子 滋賀大学, 教育学系, 教授 (70452232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 靖 関西医科大学, 医学部, 研究員 (00865769)
山本 和美 関西医科大学, 医学部, 研究員 (30838149)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | マインドフルネス / 子ども / ドットビー / 効果評価 / 講師養成 / 英国 / 教育 / プログラム / 国際比較 / 指導者養成 / .bプログラム / 予防教育 / 生理指標 / .b(ドットビー) |
Outline of Research at the Start |
マインドフルネスのもたらす心理的効果が、脳科学などによるエビデンスを基に蓄積され てきており、子どもへの適用も広がりつつある。本研究は、英国で開発された子どものためのマインドフルネス・プログラム「.b(ドットビー)」を本邦に導入し、実施可能性及び有 効性を多施設共同試験により検討するものである。.bは、指導者養成と教育プログラムが一連の流れとして構造化されており、プログラム指導者(教育関係者)と受講者(児童生徒)両者への心理的効果が期待できる。さらに英国と日本におけるマインドフルネス教育について、国際的な比較を行い、日本の文化にふさわしい実践について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
英国MiSPで開発された子どもを対象としたマインドフルネス・プログラム「.b(ドットビー)」を日本の学校に導入するために、日本語で指導者資格を得られるシステムを構築し、日本で指導者を養成した。今年度も昨年度に続き、.bプログラムを主催する英国Mindfulness in Schools Project (MiSP)と連携し、子どもマインドフルネス講師養成研修Teach .bを開催することができ、計28名の.b Teacher(日本全国から公募した教育・心理関係者、医療関係者など)を養成した。 さらにオンライン上で講師のプラットフォームを作り、情報交換、集中ワークショップ、グループ模擬レッスン研修、定例ミーティング、参考図書配布等を行って講師の実践力向上をサポートした。またMfCP:Mindfulness for Children’s Projectという団体を立ち上げてホームページ(https://mfcp.info/)を作成し、MiSPや子どもマインドフルネスに関連する情報や無料公開コンテンツ(リーフレット、ビデオ)を集約し、広く社会に発信することを開始した。ホームページ上で講師のティーチャーズ・マップを作成し、フィールドと講師を繋ぐ機能も構築している。 2021年12月より、講師が、各自のフィールドにて高校生を対象に10週間の.bプログラムを実施した。パンデミック禍において対面実施が困難なフィールドではオンラインでの実施を模索した。これまでに13校で計250名の中高生を対象に実践し、不眠や不安の改善、心の安定といった肯定的な感想が得られている。 またプラクティス継続に寄与するMfCP独自の短時間のビデオコンテンツ、スライド作成に着手し、日本の子ども達の現状や日本文化に合ったマインドフルネスコンテンツの作成も進めることができた。関連書籍の翻訳出版も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マインドフルネスの最新の科学的知見に基づき、英国で開発された心理教育プログラムを、日本で高校生に取り入れる安定した枠組み(指導者養成及びフィールド実施サポートと情報共有)を作ることができた。参加する子どもたちの姿、また指導者の声からは、プログラムの効果や意義が示唆されている。また、パンデミック下においてもオンラインでの講師養成、フィールド実施など柔軟に対応することができた。オンライン実施となったことにより、北海道から沖縄まで日本各地における計66名(2年間)の講師を養成することができて、実施可能性が広がった。さらに、HP、プラットフォーム作成による講師サポートシステムを構築し、指導者の質向上に寄与する基盤を形成した。また子どもたちがプログラム実施後もプラクティスを継続できるようなビデオコンテンツも作成することができた。 課題となった点としては以下が挙げられる。まず、パンデミックで計画が1年後倒しとなり、質問紙の分析が次年度に持ち越しとなったことである。パンデミックのために実施が困難となったフィールドもあり、300名を目指していた対象生徒数は250名と目標を下回ったが、継続的な講師養成システムの構築は完了し、講師のフィールドでのプログラム実施の計画も概ね達成できたと考える。そして、学校のカリキュラムの中に週に1度10回の時間を確保することが困難であり、主に部活動や小集団での取り組みとなったことである。今後この取り組みを広げていくにあたり、カリキュラムへの位置づけ、学校への広報、プログラム指導者養成と指導力の育成が課題となる部分である。さらに、MiSPによる様々な制約があり、フィールドのニーズに応じた対応が柔軟にできない事例もあった。短縮版のプログラム、ケアが必要な子どもにも利用可能なプログラム、日本の文化に合ったプログラムなどを求める声が多く、今後の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは13フィールドでの質問紙調査の統計解析を行い、プログラムの効果を検証し、英国試験と比較する。さらに、性別、年齢、指導者の質、対象者の個人的性質といった効果に影響する要因を分析する。 そのエビデンスをもとにして、今後も年に一度Teach .bを英国MiSPと連携して継続し、日本に合った安定した講師養成システムを確立する。MiSP日本支部として、国際行事にも参加し、活動をグローバルに広げる。プログラムに参加した子どもたちが国内外で交流できる「ドットビークラブ」の場を創設する。 また長期的には、MiSPのプログラムにとどまらず、日本の実情に合ったプログラムの開発を行い、日本における子どもマインドフルネスの拠点を作ることも目指したい。さらに対象を広げ、小学生やケアを必要とする子どもたちへのプログラム実施についても検討したいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)