Project/Area Number |
20K18257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松永 崇志 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10869861)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 慢性中耳炎 / インフルエンザ菌 / TLR4 / 無莢膜型インフルエンザ菌 / TLR-4 |
Outline of Research at the Start |
中耳炎は小児では発生頻度が非常に高い感染症であり、特に急性中耳炎の原因としてインフルエンザ菌が挙げられる。近年Toll様受容体4(TLR-4)領域の遺伝子変異が小児中耳炎発症との関連が報告されている。我々はこれまでTLR-4変異マウスを用いて急性中耳炎の病態とTLR-4変異とのメカニズムとの関連性を明らかにしてきた。今回はTLR-4変異マウスに慢性インフルエンザ菌性中耳炎と惹起し、中耳粘膜炎症の動態、中耳細菌クリアランスの動態などを含めた中耳慢性炎症性病態の解析を行うことが目的である。TLR-4領域の遺伝子変異と慢性中耳炎との関連を明らかにすることで小児中耳炎の新しい治療へと繋がる研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
C3H/HeJマウス(TLR4変異)およびC3H/HeNマウス(WT)に対して、顕微鏡下に無莢膜型インフルエンザ菌(NTHi)を中耳骨胞内に注入し、同時に耳管閉塞処置を 行い慢性中耳炎マウスモデルを作成した。1週間ごとに鼓膜所見を観察し、それぞれ1週間後、2週間後、1ヶ月後に断頭して中耳洗浄液を採取してチョコレート 寒天培地に塗布してNTHiのコロニー数を計測した。また断頭して得られたマウス頭部は中耳骨胞を含めてホルマリン固定し、脱灰した上でパラフィン切片を作成 した。鼓膜所見は1週間マウスはC3H/HeJでは6匹中4匹、2週間マウスは4匹中3匹、1ヶ月マウスは4匹中3匹に中耳貯留液を確認した一方で、C3H/HeNでは1週間マウ スは6匹中6匹、2週間マウスは4匹中2匹、1ヶ月マウスは5匹中0匹と長期になるにつれてTLR4変異したマウスでは中耳炎が遷延化しやすい傾向にあった。また、そ れぞれの生菌数は中耳貯留液の100倍希釈での培養においてそれぞれのコロニー数を計測すると、1週間マウスのC3H/HeJは平均445個、C3H/HeNは平均318個、2週間マウスのC3H/HeJは平均411個、C3H/HeNは平均162個、1ヶ月マウスのC3H/HeJは平均196個であり、C3H/HeNは生育しなかった。これらの結果から、TLR4変異に よって急性期の中耳炎のみならず、慢性期の中耳炎に関しても影響を及ぼしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
耳管閉塞処置を行なった慢性中耳炎マウスにおいて、母数をさらに増やしてC3H/HeJマウス(TLR4変異)およびC3H/HeNマウス(WT)を用いて鼓膜所見の観察と細菌クリアランスの計測を行う予定であったが、COVID-19の世界的な流行による試薬購入の遅延や実験施設の改修工事に伴い実験そのものができなくなってしまったため、本研究計画の進行が大幅に遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験施設の改修工事が本年度中に終了するため、実験施設が利用可能となり次第本研究を再開する予定である。
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