Project/Area Number |
21K08718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
池上 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80432938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後町 武志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40338893)
恩田 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10459620)
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80624973)
春木 孝一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60720894)
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
安田 淳吾 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90896870)
塩崎 弘憲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30896816)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / エクソソーム / miRNA / 癌微小環境 |
Outline of Research at the Start |
今回、肝細胞癌の悪性化に於いて癌微小環境のうち癌関連線維芽細胞(CAF: Cancer associated fibroblasts)が分泌するエクソソームに含有されるマイクロRNA(miRNA)に注目した。CAFから分泌されるエクソソームに含まれるmiRNAが様々な癌腫における癌細胞の発育進展に深く関わることが報告されているが、肝臓線維化を有する背景肝に発生することが多い肝細胞癌に於いては、そのような活性化CAFの分離培養の方法やその存在も確立されてはいない。肝細胞癌関連活性化CAFが肝細胞癌の発育進展にどのような分子機構を介して影響を与えているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
進行肝細胞癌における進展転移における癌微小環境の重要な構成要素である癌関連線維芽細胞(CAF)に注目した。CAFの上清あるいは分離したエクソソームを肝癌細胞株であるHuh7に添加を行ったところ、CAFから分離したエクソソームの添加が、非癌部肝組織から抽出したNFに比し、あきらかに肝癌細胞株の運動性すなわち浸潤進展性を高めていることをMigration assay、Invasion assayにて確認できた。正常肝細胞、星細胞、正常線維芽細胞およびCAFにてmiRNA-150の発現量を定量的RT-PCRを行ったところ、CAFおよびCAF由来エクソソームでmiRNA-150の発現低下を認めた。さらにCAF関連エクソソームと共培養した肝癌細胞株Huh7およびHep3BではmiRNA-150の高発現をみとめた。またSYTO0染色されたエクソソームと24時間共培養したHuH7では明らかな陽性蛍光染色をみとめ、HuH7とHep3B細胞の浸潤転移活性はmiR-150由来含有エクソソームのトランスフェクションにより阻害されることが明らかとなった。臨床検体においては、82症例の肝細胞癌患者において血清miRNA-150発現量をRTPCRにて定量したところ組織学的に線維化が進行している症例においてmiRNA-150の発現が低下していることが明らかとなった(62.1% vs. 35.9%, p=0.02)。miRNA-150低値群では肝細胞癌結節被膜浸潤がより低度であり(72% vs. 88%, p=0.03)、recurrence free survival rateがより低下していた(p<0.01)。多変量解析では、miRNA-150低発現、男性、低アルブミン、高AFP値、肝内転移が有意な予後不良因子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CAFの上清あるいは分離したエクソソームを肝癌細胞株であるHuh7に添加を行ったところ、CAFから分離したエクソソームの添加が、非癌部肝組織から抽出したNFに比し、あきらかに肝癌細胞株の運動性すなわち浸潤進展性を高めていることをMigration assay、Invasion assayにて確認できた。一方、肝細胞株の増殖能を促進する効果は現時点の実験系では認められなかった。背景肝に線維性病変を伴う肝細胞癌であっても、CAFが明らかに存在し、分泌されたエクソソームにより肝細胞癌細胞の上皮間葉転換につながる性質を獲得していることを示唆する結果であった。エクソソーム内miRNAの網羅的解析(miRNAマイクロアレイ)を行ったところ、miRNA-150、miRNA-320、miRNA-355、miRNA-1247、miRNA-3188が肝癌細胞に影響を与える候補として検出された。次にヒト正常肝細胞、星細胞、正常線維芽細胞およびCAFにてmiRNA-150の発現量を定量的RT-PCRを行ったところ、CAFおよびCAF由来エクソソームでmiRNA-150の発現低下を認めた。臨床検体においては、82症例の肝細胞癌患者において血清miRNA-150発現量をRTPCRにて定量したところ組織学的に線維化が進行している症例においてmiRNA-150の発現が低下していることが明らかとなった(62.1% vs. 35.9%, p=0.02)。miRNA-150低値群では肝細胞癌結節被膜浸潤がより低度であり(72% vs. 88%, p=0.03)、recurrence free survival rateがより低下していた(p<0.01)。上記より計画通りのプロセスを順調におこなっていることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソソーム内miRNAの網羅的解析に関してMulti-experiment viewerを用いて有意となった遺伝子群のうち、Target scan、Linked omics、miRDB、Exiquonより共通で検出される遺伝子に関して検証を行う。さらにマイクロアレイおよびデータベース解析から最も有意であると判定されたmiRNAを、単離しCAFに強制発現させる。RT-PCRにて発現を検証したのち、強制発現CAF由来エクソソームを分離、肝癌細胞株に添加する。SYTO RNA selectによりmiRNAが肝癌細胞株に結合し取り込まれていることを蛍光により確認する。MigrationおよびInvasion assayを行い癌の進展に影響を与えるかを確認する。一方標的miRNAに対するsiRNAをデザインし、抑制実験も同様に行う。標的miRNAが結合し影響を与えるターゲット遺伝子の同定を行い、相補的配列を有している癌関連遺伝子を検索する。NF/CAFから抽出したエクソソームを肝癌細胞株に添加することによりそのターゲット遺伝子のRNAおよび蛋白発現が変化していることをRT-PCRおよびwestern blottingにて確認を行う。これによりターゲットが確定されれば、ノックダウンあるいは遺伝子導入による肝癌細胞の動向をMigrationおよびInvasionassay評価を行う。
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