Project/Area Number |
21K13520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高野 貴大 茨城大学, 教育学部, 助教 (40881529)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 省察 / 学校経営 / 社会正義 / ガバナンス / 条件整備 / 米国 / 教師教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は教師教育における「批判的省察」実現のための条件整備の在り方を日米比較によって明らかにすることを目的とする。批判的省察は、教師自身による社会構造の相対化が必須であり、教職という専門職としての視点から自律的に思考する必要がある。これには、各教師の動機が不可欠なだけでなく、前提を問い直すための一定の働きかけや「場」の設定(=条件整備)が求められる。目的に迫るため、日米両国における教師の「批判的省察」に関する原理と、その条件整備に関する理論の最新動向を明らかにしたうえで、両国の「批判的省察」を基軸とした教師教育プログラムの理念・実態・課題を比較検討、考察し、日本への示唆を提起する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は教師教育における「批判的省察」実現のための条件整備の在り方を日米比較によって明らかにすることを目的としている。批判的省察は、教師自身による社会構造の相対化が必須であり、教職という専門職としての視点から自律的に思考する必要がある。これには、各教師の動機が不可欠なだけでなく、前提を問い直すための一定の働きかけや「場」の設定(=条件整備)が求められる。本研究では「批判的省察」の原理を詳らかにすると同時に、それを実現するための条件整備の在り方を明らかにする。 上記目的達成のため、2023年度、以下3つの研究課題に取り組んだ。 第一に、日米両国における教師の「批判的省察」に関する原理と、その条件整備に関する理論の最新動向を詳らかにした。初年度からの関連文献収集とともに、渡米調査の実施に際して、関連分野の研究者や教育委員会による施策の一次資料の情報収集を行った。 第二に、米国における教師の「批判的省察」を促進するための学校を基盤とした取り組みについて、事例調査を行った。具体的には、ワシントン州シアトル学区を訪問し、教育行政の担当者や学校を訪問し、関係者へのインタビュー調査を行った。 第三に、上記の検討を踏まえ、日米両国における「批判的省察」実現のための条件整備に関する理論と実践について、現段階で明らかになったことを整理した。考察の視点として、教師にとって「批判的省察」が原理的にいかに重要か、そして、それを促すための条件整備について、学校を基盤とした組織的な取り組みはいかなるべきかという点を精緻にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、前年度までと引き続き、日米両国における教師の「批判的省察」に関する原理と、その条件整備に関する理論にかかわる関連文献を収集し、検討できた。その中で、米国では、教師の「批判的省察」が学校を基盤とした取り組みとして進展してきていることが明らかとなった。 それらの検討をもとに、米国の最新動向について現地調査を行うことができた。具体的には、学校の「文脈」を重視して、児童生徒や地域住民の「声」といった質的データ(ストリートデータ)を収集することによって、公正性に適う学校経営を展開している取り組みについて、事例調査を行うことができた。 こうした事例調査は、当初計画していた教育委員会、大学、第三セクターの連携の在り方を明らかにすることを超えて、学校単位で社会正義に取り組むことの意義について析出できている。教師の「批判的省察」の実現に向けた条件整備が、教育委員会による施策だけでなく、学校を基盤とした取り組みとして展開することの意義を示すことにまで至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
教師教育における「批判的省察」実現のための条件整備の在り方を明らかにするために、2024年度は米国での事例調査とともに、日本での実態に関する情報収集と事例調査を行う予定である。特に、2023年度の研究によって明らかとなった「学校を基盤とした取り組み」の重要性に焦点を当て、教師の「批判的省察」実現に向けた学校組織における取り組みを中心に調査したい。具体的には、米国のカリフォルニア州への調査を予定しており、教師の「批判的省察」を促す校長のリーダーシップに焦点を当てて、校長の研修プログラムや学校への訪問調査を予定している。また、日本でも今般の教員研修改革により、学校内での指導助言機能の充実が求められている。学校管理職や同僚間での対話に着目し、教師の「批判的省察」実現に向けた取り組みについて、探究する。
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