Research Abstract |
最近,Lusztigは,正標数のreductive群Gの既約指標に関する自身の予想を拡張する形で,GのLie環の表現に関する非常に興味深い予想を提出し,それに答えるべくBezrukavnikov, MirkovicとRumynin,以下[BMR]と略記,はcrystalline differential operatorsなるものを用いる代数解析的方法を提示した。則ち,Gの定義するflag variety G/B上のcrystalline differential operatorsのなす層を\cDと記すと,[BMR]は,\cD上のcoherent modulesが成すbounded derived categoryと\cDのglobalsectionsのなす環D上の有限生成加群の成すbounded derived categoryがderived global section functorによって三角圏同値になり,DはGのLie環のuniversal enveloping algebraのcentral reductionと同型であることを証明した。 この結果に触発されて,我々は,その代数版,或いは,無限小版を調べたい。則ち,\cDのcentral reductionであるG/Bの構造層のFrobenius direct image のendomorphism ring \bar\cDを考えて,それに対して,上記[BMR]のようにderived global section functorによる三角圏同値が成立するかどうかを調べる。これは,G/Bの構造層のFrobenius direct imageがtiltingであることがほぼ同値であることが分かっており,G/Bがprojective spaceである場合,この時は,BはBorel部分群ではなく極大parabolic部分群になる,また,G=SL_3の場合には,実際成立することも分かっていた。
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