Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
(1)研究目的 軸不斉ビピリジンとそのオキシドの設計と合成に関する研究を終え,本年はロジウム触媒1,4-付加反応の機構研究を行った.当研究室において開発された不斉ジエン配位子はこの反応における良好な不斉配位子として機能し,不斉C-C結合形成反応の中で希有の高い触媒活性を付与することが既に明らかとなっている.この高い触媒活性の理由を明らかとするために本研究に取り組むこととした. (2)研究成果 まず,(S,S)-2,5-ジベンジルビシクロ[2.2.2]オクタ-2,5-ジエン(Bn-bod*)の配位したロジウム錯体は,わずか0.005-0.01mol%の触媒量存在下においてアリールボロキシンを用いたエノンへの不斉1,4-付加反応を触媒し,エナンチオ選択性の低下なしに高収率の生成物を与えることを見い出した.このように高い触媒活性は,工業的な観点からも,理論的な観点からも興味深いものである. また,ロジウム/binap触媒によるフェニルボロン酸のα,β-共役エノンへの1,4-付加反応の詳細な速度論考察を行った.反応速度データを得るために,微量反応熱量計を用い,得られたデータの解析には,最近Blackmondによって開発された新規の速度論解析手法を用いた.反応速度式の,実験結果に対するコンピュータシミュレーションにより,触媒サイクルにおける反応速度定数および平衡定数を決定した. また,ジエンを配位子としたロジウム触媒による1,4-付加反応の速度論考察を行った.上記の手法により,ジエンを用いた揚合のトランスメタル化の速度がbinapを用いた場合のそれよりも10倍以上速いことを示した.すなわち,律速段階であるトランスメタレーションにおけるこの加速効果がジエン触媒系の高活性の理由であることが明らかとなった.
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