十八世紀英国政治思想史におけるアテナイとローマ:急進主義と啓蒙の対比を中心に
Project/Area Number |
03J10086
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
政治学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
犬塚 元 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 人文主義 / ヒューム / humanism / イギリス / 政治学史 / スパルタ / 政治思想史 / 啓蒙 / 共和政ローマ |
Research Abstract |
本研究は、アテナイやローマなどの古代政治社会をめぐる理解の歴史的変転を追跡することを糸口にして、18世紀英国における政治学の転換を解明するものである。18世紀のローマ史論を分析した2003年度、文明社会論・政治経済学を分析した2004年度に続き、本年度は、世紀後半の急進主義政治思想を経て19世紀に至る思想動向を分析の対象とした。本年度の分析成果は、本年度公にした別掲研究論文、2006年度に公表される論文、および、本年度に学会においてなした口頭報告(日本政治学会、社会思想史学会)に反映されている。 世紀末のフランス革命がローマ共和政の再興を自称したように、この世紀後半の政治論においても古代政治社会を引証することは依然広く見られたが、世紀後半から19世紀初頭には、大きく分けて三つの新しい動向を観察できる。第一は、ローマからギリシア(殊にアテナイ)への関心の移行であり、その背景には民主政がレジームとして登場したことがある。第二は、文明や進歩の観念にもとづき、(歴史の意義を否定しないまでも)古代史に単純に依拠する政治論に対して批判的な系譜が現れたことである。第三は、ベンサムにみられるとおり、そもそも歴史論を拒否する政治論の登場である。19世紀の後半に、帝国への問題関心の高まりとともに再びローマ史に依拠する議論が増加することが示すように、古代ギリシア・ローマを範例とする政治思想は19世紀以降に決して消滅したわけではない。しかし、古代ギリシア・ローマは、引証する立場に応じて様々な形で再解釈され続けたのであり、再解釈されつづける素材であることが、古代ギリシア・ローマがヨーロッパ政治思想史における範例的位置であることを維持せしめたのである。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)