半導体ナノ粒子薄膜を用いた新規光メモリーデバイスの開発
Project/Area Number |
03J11751
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
反応・分離工学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植松 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | ナノ粒子 / 半導体 / 薄膜 / セレン化カドミウム / 蛍光 / 光メモリー / 基板 / 可逆変化 / 光メモリ / 共焦点レーザー顕微鏡 / 光記録 / 半導体ナノ粒子 |
Research Abstract |
コロイド化学的にCdSe・ZnSコアシェル型ナノ粒子を合成し、スピンコート法によりガラス基板上にナノ粒子薄膜を作製した。この薄膜を窒素雰囲気下で連続励起すると、蛍光強度が時間とともに増加し、最終的に飽和値に達することが観察されている。また前年度の研究において以下のような仮説が提案されていた:励起したナノ粒子は、発光再結合とイオン化の大きく分けて2つのパスが存在する。粒子がイオン化した場合、電子が基板へ放出される。基板へ放出された電子は静電気的ポテンシャルを生み出し、周囲の粒子のイオン化が抑制されるため、発光再結合を行う確率が上昇して発光効率が上昇する。 本年度の研究において以上の仮説を検証するため、現象の基板依存性について調べた。まず真空中で励起光を照射しながら蛍光スペクトルを測定できる装置を組み立て、ナノ粒子薄膜を様々な基板上に作成した。金基板上の薄膜を励起した場合、蛍光強度は弱いまま一定であった。一方、ガラス基板とシリコン基板上の薄膜を励起した場合には、蛍光強度の増加が観察された。この結果から、基板が導電性である場合には電子が基板にトラップされず、蛍光強度増加現象の原因となる静電気的ポテンシャルが生み出されないことがわかった。 基板中に存在する電子のトラップサイトについて詳細に調べるため、スパッタによって様々なxの値を持つSiOx基板を作成し、その上にナノ粒子を塗布した。この薄膜を連続照射すると、x=1.9の場合には蛍光強度は著しく増加したが、x=0.6の場合には増加率が低かった。この結果から、酸素原子由来の欠陥が電子のトラップサイトとして働いており、欠陥の多い膜において蛍光強度増加現象が大きく見られることがわかった。以上の内容は論文にまとめ、現在投稿中である。今後この現象を光メモリーに応用していくために、基板中に存在する酸素欠陥を制御する必要があることが示唆された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)