多様な生理機能を支えるGnRH情報伝達系の研究-コロニー形成率制御との関わり-
Project/Area Number |
03J11884
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎本 匡宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | GnRH / GnRH受容体 / コロニー形成 / 細胞移動 / アクチン骨格 / Rho family Gタンパク質 / 細胞増殖 / 細胞骨格 / small G protein / 細胞内情報伝達 / コロニー形成率 / Gタンパク質共役型受容体 |
Research Abstract |
前年度の研究により、本研究で用いている前立腺がん由来の細胞株(TSU-Pr1及びDU145)において、GnRHはコロニー形成だけでなく細胞移動にも影響することが明らかになっていた。今年度は、GnRHによる細胞移動の制御の分子機構について、特に単量体Gタンパク質ファミリーの1つであるRho family Gタンパク質に注目して研究を行った。その結果、「GnRHはRho family Gタンパク質の活性化を介して、アクチン骨格の再構築を誘導し、細胞移動に影響すること」、「TSU-Pr1とDU145では活性化されるRho family Gタンパク質の種類が異なり、細胞移動という観点でもコロニー形成と同様にGnRHが正反対の作用効果を及ぼすこと」が明らかになった。これらの成果は、Endocrinology誌に発表した(Endocrinology 147(1),530-542,2006)。さらに、このようなRho family Gタンパク質の活性化は、GnRHによるコロニー形成の正負制御にも関わっていることを明らかにした。以上の成果は、GnRH刺激によるRho family Gタンパク質の活性化が、多様なGnRH作用の背後にある共通の作用機序であることを示唆している。GnRHは元来、視床下部から分泌され、脳下垂体からのゴナドトロピンの放出を促す神経ペプチドとして同定されたものであるが、本研究により明らかになったGnRHによるRho familyGタンパク質の制御がゴナドトロピン放出にも関与しているかどうかは、GnRHの生理的意義やGnRH情報伝達系の進化を考察する上で大変重要である。そのような観点から、本研究が今後のGnRH研究に与える寄与は大きいと言えるであろう。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)