温度勾配下における積雪の変態過程でのファセット転移機構の研究
Project/Area Number |
04F04321
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Hokkaido University |
Host Researcher |
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授
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Foreign Research Fellow |
FLIN Frederic Alexandre 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 積雪 / 変態過程 / 結晶成長カイネティクス / 三次元構造解析 / シミュレーション / シンクロトロン放射 / 三次元構造 / 結晶成長 / ギブストムソン効果 / フェーズフィールドモデル / 樹枝状結晶 / 分子動力学法 / クラスターコンピュータ |
Research Abstract |
積雪内部では、降雪による積雪の開始から融解して完全に消失するまでの間に、内部構造や物理的性質が時間変化する。これは、積雪の変態過程(metamorphism)と呼ばれ、温度や水蒸気の移動などさまざまな要因により起こり、積雪障害や雪崩の発生などの災害とも密接に関連するばかりではなく、極地の氷床内での氷の物理的性質や構造などとも直接関連している。 実際の積雪では、通常表面付近より底部のほうが温度が高いので、内部に温度勾配が存在する。このため、積雪を構成する氷粒子が成長・蒸発を起こす。このような条件では、積雪内の水蒸気煮の拡散だけではなく、氷粒子表面での成長・蒸発カイネティクスを考慮する必要がある。本研究では、積雪の変態過程のモデルに、氷結晶成長・蒸発カイネティクスの降下を組み込むことに始めて成功した。シミュレーションの結果、実際の積雪内部によく観察される平らなファセット面で囲まれた結晶粒が良く再現されることを示した。さらに、変態過程の律速過程としては、積雪内の空隙部分を通る水蒸気拡散よりも、むしろ結晶成長・蒸発カイネティクスが積雪の変態過程のほうがより重要であることを明らかにした。 従来の積雪変態のモデルでは、温度勾配の効果を無視して、積雪内での水蒸気の拡散のみが律速過程であるとされてきた。本研究の成果は、従来のモデルでは積雪構造変化を十分記述できないことを明確に示した。従来の積雪変態モデルの大幅な改訂が今後求められる。 また、本研究は、積雪の3次元構造解析に対し、シンクロトロン放射光による三次元マイクロトモグラフィ法が極めて有効であることも示した。従来の方法に較べ桁違いに分解能が高く、上記のような積雪変態モデルの検証に十分対応できる精度が保障された。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)