Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
サブトラクション法によりマガキの外套膜からクモ糸様新規有機基質候補(oySLP1)遺伝子を同定した。その組換え体を、大腸菌を用いたタンパク質発現系により作製し、それを抗原として用いてポリクローナル抗体を作製した。その抗体を用い、ウェスタンブロット分析により貝殻中のoySLP1の存在を調べたところ、oySLP1は貝殻中のEDTA可溶性画分に存在することが明らかとなった。また、免疫染色法により、さらに詳しいoySLP1の局在を調べたところ、貝殻稜柱層において、炭酸カルシウム結晶を取り囲むように存在することが明らかとなった。次いで、oySLP1の貝殻形成における役割を調べるために、oySLP1の配列の一部を模したペプチド(16アミノ酸)を作成し、貝殻の主要構成成分である炭酸カルシウム結晶形成に与える影響を調べた。その結果、oySLP1は濃度依存的に炭酸カルシウム結晶形成の速度を抑制すること、及び炭酸カルシウム結晶の構造を変化させることが明らかとなった。また、配列中のアスパラギン酸を置換したところ、炭酸カルシウム結晶構造制御能が失われることを明らかにした。このことは、oySLP1中のアスパラギン酸が、貝殻形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、ペプチド中のどの領域が炭酸カルシウム結晶形成の制御に重要なのかを調べるため、様々な長さのペプチドを作製したところ、oySLP1中の5アミノ酸が炭酸カルシウム結晶構造の制御に重要であることが明らかとなった。
All 2007 2006
All Journal Article (2 results)
Fisheries Science Fish. Sci.(in press)
Fisheries Science (In press)