中世東国の神話形成に関する研究-二所三島の縁起と真名本『曽我物語』-
Project/Area Number |
04J01504
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
阿部 美香 (鴨志田 美香) 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中世文学 / 真名本『曽我物語』 / 寺社縁起 / 本地物語 / 中世神話 / 箱根権現縁起絵巻 / 高田大明神縁起 / 佛神一躰灌頂鈔 / 二所三島参詣 / 寺社縁起と本地物 / 東国の中世神話 |
Research Abstract |
東国の王権神話ともいうべき真名本『曽我物語』はいかにして生まれたのか。本研究は、それを霊地霊場に形成される寺社の縁起や本地物語などの中世神話の探究を通して明らかにすることを目指し、本年度は2年間の研究成果を踏まえた上で真名本『曽我物語』論の構築を試みた。 まず、『伝承文学研究』55号掲載論文において、これまで本格的な研究のなかった『佛神一躰灌頂鈔』という二所三島の参詣の口伝書について分析と検討を行い、本書の成立の意義を明らかにした。そこには室町時代後期に、後北条氏の宗教政策に応え新たな二所三島の体系が創り出されており、それはほぼ同時期に古い本地物語絵巻(箱根権現縁起絵巻)が新しくつくり直される運動と呼応していた。後北条氏の時代に二所三島の本地物語がなぜ求められたのかを問うとき、自ずと鎌倉時代における本地物語の意義が浮かび上がる。ここに至り、真名本『曽我物語』の主題と構想を、本地物語の働きと、新たに女人の受難と救済という視点を加えて問い直すとき、王権神話としての真名本『曽我物語』の特質を見出すことが可能となる。その成果は、「霊山へ参る女人-二所の縁起と真名本『曽我物語』の世界から」と題し成稿した。折しも、箱根神社の御鎮座1260年を迎え、宝物図録と特別展図録において、絵巻や二所三島信仰について解説文の執筆を担当し、研究成果を一般に向けて発表する機会にも恵まれた。今後は、真名本『曽我物語』を唱導の側面からも探究し、未だ執筆中である『中世日本紀集』(三弥井書店、共著)の刊行を目指しつつ、東国の神話形成の研究を継続してゆきたい。また、東国の神話と比較対照する為に注目した隠岐島の『高田大明神縁起』は、顕密仏教と時衆が一体となった特異な神祇の世界を生み出している。関連する文書等を採訪調査した結果、縁起成立を解明する重要な発見があり、今後も継続して調査研究する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)