フォトニック結晶スーパープリズムフィルタの高性能化と多機能化
Project/Area Number |
04J04872
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electron device/Electronic equipment
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Research Institution | Yokohama National University |
Research Fellow |
松本 崇 横浜国立大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フォトニック結晶 / 波長フィルタ / 負屈折 / スーパープリズム / スーパーレンズ / 狭帯域波長フィルタ / 無反射構造 / 回折 / 光偏向 / 集光レンズ |
Research Abstract |
フォトニック結晶(PC)とは光の波長程度の周期をもつ多次元構造であり,その分散特性は特異な光伝搬をもたらす.なかでも負屈折現象は,新たな光学系をもたらすと期待されてきた.これには入射角と波長のわずかな変化でPC中の偏向角が大きく変化するスーパープリズムや,また平坦な入射端で負屈折を起こし,集光を示すスーパーレンズがあげられ,様々な応用が期待されている.本研究ではこれらの狭帯域型波長フィルタへの応用を目指している.本年度はスーパープリズムとスーパーレンズを組み合わせた波長フィルタをLSIで一般的に用いられるSOI基板上に製作し,特性を評価した. まず,スーパープリズムの角度分散を調べるために,SOI基板上に正方格子配列の2次元PCを製作した.格子定数αは0.47μm,空気孔の直径2rは0.29μmである.電子ビーム描画とSF_6ガスを用いた誘導結合プラズマエッチングをもちいて,空気孔を形成した,この素子に対して測定を行った結果,70nmの波長変化に対して45°-63°の偏向角変化を確認した.基板から光が漏れる条件を利用することで,負屈折の直接観測にも成功した. スーパープリズムとスーパーレンズを組み合わせた小型波長フィルタを製作した.この素子は波長1.55μmにおいて,0.9mm^2の素子サイズで分解能0.4nmが35nmの帯域で得られる.前述のスーパープリズムと,2r=0.31μm,α=0.51μmのスーパーレンズを同一基板上に一括に製作した.レンズ出射端には幅2μmの出力導波路を直接接続した.波長可変レーザからの光を結合させたところ,出力導波路から出力光を観測し,分波動作を確認した.そのときの波長間隔は11nmであり,素子サイズは80×100μm^2であった. 以上によりPCの負屈折現象を実証するとともに,素子応用を示した.これらの結果は,屈折光学系とは異なる新たな光学系への展開を期待させる.そして提案した超小型分光器は,波長分割多重通信用の光集積回路実現の重要なコンポーネントになると考えられる.
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)