超強酸媒体中における新規環化反応の発見と高度設計型ブレンステッド酸反応系の開発
Project/Area Number |
04J11547
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
中村 聡 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超強酸 / 4H-1,2-ベンズオキサジン / acrニトロ基 / ジカチオン / 分子内1,3-双極子付加反応 / 0-ベンゾキノンメチド / anti Diels-Alder反応 / ベンズオキサジン / 高精度量子化学計算 / aci-ニトロ基 / 〔3+2〕付加環化反応 / Meldrum酸 / 局在化反応性軌道法 |
Research Abstract |
筆者は、3-アリール-2-ニトロプロピオン酸エステル誘導体が過剰量の超強酸(トリフルオロメタンスルホン酸)存在下で分子内環化し4H-1,2-ベンズオキサジン類を生成する反応について検討を行っている。本反応の中間体としては酸性プロトン触媒によるニトロ基α位の脱プロトン化により系中で生成する陽性aci-ニトロ体が想定される。また、反応速度に対する芳香環上置換基の置換基効果や重水素置換実験の結果から、本反応は一般的な芳香族化合物の修飾反応であるFriedel-Crafts反応(芳香族求電子置換反応)とは異なった反応機構により進行することが示唆されており、実験化学的アプローチおよび高精度量子化学計算による解析の結果、本環化反応はaci-ニトロ型ジカチオンを反応活性種とする分子内1,3一双極子付加反応の可能性があることを見出した。ニトロ基を酸素源として芳香環を直接的に酸素化する手法は他に例がなく、極めて特異な反応である。また、本反応により得られる4H-1,2-ベンズオキサジン類は加熱条件下でanti Diels-Alder反応を経て反応中間体o-ベンゾキノンメチドを与える。今回、この熱分解過程の反応速度解析を行った結果、芳香環上置換基の種類およびその位置が反応速度に対して大きく影響することが明らかとなった。この結果は、4H-1,2-ベンズオキサジン環の物性の理解のみならず、報告例の少ないanti Diels-Alder反応の置換基効果に1ついての知見をも与えるものである。また、上の反応を活性メチレン化合物の超強酸触媒分子内環化反応として捉え、これを発展させて3-アリール-2-シアノ酢酸エステルの分子内環化反応による種々のインデン骨格形成法を確立した。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)