Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
光遅延素子やバッファメモリは,光ルーターなど,将来の高度な光信号処理に欠かせない.申請者が提案したフォトニック結晶(PC)導波路による群遅延素子は,微小・広帯域であり,チャープ構造により分散補償機能を内蔵する.本年度は,長尺素子による遅延時間の増加、および外部制御によるスローライトチューニングの実証を行った. 本研究で提案しているチャープ構造PC方向性結合器について,600μmという長尺化した素子を製作し,変調位相シフト法により群遅延を評価した.その結果,30nmの広い波長帯域でおよそ60psの遅延が得られ,およその光信号蓄積数に対応する遅延時間-帯域幅積は250という従来と比べ一桁大きな値が得られた.同様にチャープ構造PC結合導波路についても,遅延時間-帯域幅積は50-60が評価された.また,フェムト秒パルスの伝搬観測により群遅延を評価し,その結果は変調位相シフト法での測定結果とおよそ一致した. 以上で得られたスローライトの外部制御を実現するために,熱光学効果による屈折率チャープを実現することを検討した.最大屈折率変化8.1×10^<-2>,長さ40μmのおよそ線形的なチャープを形成した.チャープ構造方向性結合器においてチューニングを行った結果,動作帯域およびそれに伴う群屈折率の変化が確認され,30-60の範囲でおよそ1.5倍の群屈折率変化が示された. 以上の研究により,PC導波路を用いたスローライトの理論検証および,実証が示された.数100μmの素子長で200ビットを超える光信号蓄積能力が示唆され,外部制御によりタイミング制御,バッファリング素子としての応用が期待できる.今後,モノリシック集積された光集積回路における重要なコンポーネントになることが期待される. これらの成果を論文,国内学会で発表し、また現在Nature Photonics誌に投稿中である.
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