Project/Area Number |
05J07340
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高梨 和憲 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 有機化学 / 多元素環状分子 / 芳香族性 / ケイ素 / シリレン / モリブデン / タングステン / ホモ芳香族性 / シクロブタジエン / ロジウム / 白金 / 鉄 / コバルト / ルテニウム |
Research Abstract |
多元素環状分子は多元素から分子が構成される故に多様な分子設計が可能であり、同一元素からなる分子では考えられない物性を示すことが期待され、分子を創造するという観点から非常に重要かつ魅力的なターゲットである。本研究では高周期14族元素4員環状ジアニオン種を鍵反応剤として新しい多元素環状分子を合成する。その構造、性質を解明し、高周期典型元素環状化合物の系統的な理解を深め、一般性の高い元素論の構築を目指したものである。これまでに高周期14族元素シクロブタジエンジアニオンを前駆体として高周期元素シクロブタジエンを配位子とした遷移金属錯体の合成、構造解析に成功している。本年度は、異なるタイプの4員環状ジアニオン種である高周期元素ビシクロ[1.1.0]ブタン-2,4-ジイドを用いて、カルベン錯体のケイ素類縁体シリレン遷移金属錯体の合成を行った。 まず、ジブロモテトラシレテンのアルカリ土類金属による還元反応によって、高歪みアニオン種であるテトラシラビシクロ[1.1.0]ブタン-2,4-ジイドを合成し、その構造を明らかにした。これは高周期元素シクロブタジエンジアニオンと同様に、四員環状ジアニオン種であるが、構造が大きく異なるためその反応性に興味が持たれる。テトラシラビシクロ[1.1.0]ブタン-2,4-ジイドとCp_2MCl_2(M=Mo,W)をTHF中作用させたところ、カルベン錯体のケイ素類縁体シリレン遷移金属錯体であるビス(η^5-シクロペンタジエニル)(η^1-テトラシラビシクロ[1.1.0]ブタン-2-イリデン)モリブデン、タングステンが得られた。X線結晶構造解析の結果、橋頭位間の結合が著しく伸長しており、四員環部が大きく折れ曲がっていた。このような構造的特徴から、2π系ホモ芳香族テトラシレテニウムイオンユニットを有するZwitterion構造の寄与が考えられる。理論計算によってもこれらの錯体においてホモ芳香族性が発現していることが示唆された。また、この手法を用いることで、合成が困難であると考えられてきた4族遷移金属錯体であるビス(η^5-シクロペンタジエニル)(η^1-テトラシラビシクロ[1.1.0]ブタン-2-イリデン)ジルコニウム、ハフニウムを合成することにも成功した。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)