環境汚染由来重金属が魚類生殖に及ぼす毒性メカニズムの解明
Project/Area Number |
06J08464
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Risk sciences of radiation/Chemicals
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山口 園子 Ehime University, 南予水産研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 魚類 / 精子形成 / 亜鉛 / 生殖 / 毒性メカニズム / ヒ素 / 酸化ストレス / 細胞死 / 重金属 / 環境汚染 |
Research Abstract |
重金属は魚類の精子形成を抑制することが知られているが、その詳細なメカニズムは明らかではない。重金属は必須元素である亜鉛(Zn)の作用を分子レベルで阻害すると考えられ、Zn作用機構が明らかになれば、重金属の作用メカニズムの解明につながると考えられる。本研究は魚類の精子形成におけるZnの役割および重金属の影響を解明することを目的としている。 我々はこれまでに亜鉛が精原細胞の生存に必須の元素であることを明らかとした。そこで今年度は生体外精巣器官培養実験系を用いて、低濃度の亜鉛欠乏が精原幹細胞の再生分裂、精原細胞の増殖および減数分裂に及ぼす影響を調べた。その結果、これら分裂に伴う生殖細胞でのDNA合成が阻害された。このことより、亜鉛は生殖細胞の維持だけではなく、精原幹細胞の再生分裂、精原細胞の増殖および減数分裂を調節していることが明らかとなった。我々はまた、これまでに有害重金属のヒ素は酸化ストレスを生じ、生殖細胞のアポトーシスを誘導することを明らかとした。そこで、酸化ストレスが精子形成に及ぼす影響を解析するとともに、抗酸化酵素の一つであり、亜鉛結合型タンパク質である銅亜鉛結合型スーパーオキシドジスムターゼ(Cu/Zn-SOD)をニホンウナギ精巣からクローニングし、精子形成に伴う発現の変化とその局在を調べた。まず精巣を酸化ストレスの一種であるスーパーオキシドに暴露した結果、生殖細胞はアポトーシスが誘導され、さらに発達の進んだ生殖細胞で酸化ストレスに対する感受性が高くなった。また、精巣でのCu/Zn-SODは生殖細胞で強く発現しており、精子形成の進行に伴いその発現は減少した。このことより、Cu/Zn-SODが生殖細胞の抗酸化能に関与することが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)