フォトクロミック分子を用いた光応答性相互作用と超分子構造制御
Project/Area Number |
07J08700
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣瀬 崇至 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 会合誘起発光挙動(AIEE) / 疎水性相互作用 / 自己組織化 / 両親媒性 / 下限臨界溶液温度(LCST) / ジアリールエテン / フォトクロミズム |
Research Abstract |
本年度は、水中における超分子組織化構造体と外部刺激応答性に関する知見を得ることを目的として、会合誘起増強発光(AIEE)を示す蛍光性色素に両親媒性側鎖を導入した誘導体の設計・合成を行い、超分子構造形成に伴う発光効率の増強と熱的な相転移挙動に関して詳細な検討を行った。更に、速度定数を用いた解析を行うことで、会合誘起増強発光研性のメカニズムに関して有用な知見を得ることができた。 9,10-ビスフェニルエチニルアントラセン誘導体は、酢酸エチル中では高効率な発光(Φ_f=0.77)を示したのに対して、水中では超分子構造を形成することに伴って著しい消光を示した。これに対して、AIEE特性を示すことで知られる1,2-シアノビスビフェニルエテン誘導体では、酢酸エチル中(Φ_f=0.006)よりも水中(Φ_f=0.021)において蛍光量子収率の増加が確認され、その増強率はおよそ3.4倍であった。これまでの報告の多くは溶液中に分散したナノ粒子の状態での例が多く見られるが、本研究では水中で形成されるフレキシブルな構造体においてAIEEが観測されており、このことは外部刺激応答性という観点から興味深い系である。 室温においてAIEE特性を示した水溶液を加熱すると、20~60℃の領域において発光強度が大きく消光する熱応答挙動が認められた。超分子キラル環境に由来する励起子分裂型のCDシグナルは、同じ温度領域において初期強度のおよそ半分程度まで強度が減少した後に、水溶液の下限臨界溶液温度(LCST)である60℃付近において更に急激な強度の減少が見られた。超分子構造に非常に鋭敏であることで知られる励起子分裂型のCDよりも、AIEEに由来する発光がより低い温度領域で素早く応答することが認められたことから、AIEE挙動は超分子構造変化の検出やバイオプローブの候補として、非常に高感度であることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)