Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
これまでの研究から,オルドビス紀前期は,主要な礁の形成者が「微生物類優先」から「骨格生物優先」へと大きく変化した,「地球生物相の変革期」に相当することが明らかになってきた.オルドビス紀前期での「礁の時空間変遷様式」の詳細を明らかにするために,本年度,さらに南中国湖北省と湖南省にて約4週間野外調査をおこなった. オルドビス紀前期には,1)微生物礁(ストロマトライト),2)lithistid海綿-微生物礁,3)コケムシ(lithistid海綿-コケムシ,コケムシ-有柄類)礁のタイプが識別される.生物礁のタイプは,「微生物礁」から,「lithistid海綿-微生物礁」へと時代的に遷移した.さらに,生物礁のタイプは,揚子地塊中心部(lithistid海綿-微生物礁とコケムシ礁の卓越する浅海相)と揚子地塊縁辺部(微生物礁の卓越する斜面相)という形成場の違いによっても大きく異なることが明らかとなった. 特に,湖北省三峡地域から産出するコケムシ礁は,「最古のコケムシ礁」であるだけではなく,「骨格生物が主体的に礁の枠組みを構築した最初期の事例」であり,オルドビス紀中・後期,古生代中期へと続く「骨格生物が優先の礁の起源」に相当する.しかも,本礁は,世界の他地域に先駆けて南中国で始めに生じた.これら一連の結果は,礁転換の地球生物学的要因,オルドビス紀生物大放散事変の原因をも明らかにする極めて重要な情報である. 本年度は,北京大学地球与空間科学学院に約一年間在籍し,野外調査・室内作業を進めた.成果は,日本地質学会(2009年9月,岡山)と中国古生物学会(2009年10月,中国南京)の場で発表するとともに,複数の国際学術誌論に公表した.また,日本地質学会での発表は,「最優秀ポスター賞」として表彰された.
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