新規分子動力学法による金属酵素反応システムの機能発現機構の解明
Project/Area Number |
08J05437
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba (2010) Nagoya University (2008-2009) |
Principal Investigator |
庄司 光男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 分子動力学 / 金属酵素 / 反応機構 / プロトン移動 / 量子動力学 / アンモニア / empirical valence bond method (EVB) / 量子古典混合近似 / サーフェスホッピング / 核の量子化 / Empirical Valence Bond / 量子分子動力学 / トンネリング / Empirical Valence Bond(EVB) |
Research Abstract |
本研究では生体内金属酵素の反応機構サイクルを解明するため、新規方法論の開発とそれを用いた実在系の計算を行うことが目標である。対象とする系のサイズは大規模でありかつ、時間スケールも極めて長いため、現在の方法論では取り扱えていない。しかしながら酵素の持つ生体内反応は高効率なエネルギー変換、物質変換として極めて優れているため、その機構解明は非常に注目されている。よって理論的方法で酵素全体の仕組みを解明することが今後益々重要になっている。そこで本研究では酵素反応機構全体を理論解析できる幾つかの新規分子動力学法を開発することを試みた。 前年度までに化学反応を古典分子動力学法で取り扱えるMulti State-Empirical Valence Bond (MS-EVB)法の実装と量子古典混合近似を用いた量子動力学計算法の実装を行った。 本年度ではそれを基に、より実在系での量子分子動力学シミュレーションの実行を行い、その際に分かってきた様々な問題点を解決した。まず始めにアンモニア溶液中におけるプロトン移動反応を取り扱った。計算系は(NH_4^+)N_9H_<27>であり、1つのプロトンを量子化し、その他は古典粒子として取り扱った。このアンモニア溶媒を導入した実在系に近いモデルでアンモニウムイオンの分子間プロトン移動反応を取り扱った。 NN間距離が近いときにプロトン移動反応が起き、正しくダイナミックスを行えていることを確認した。様々な条件下でもダイナミックスが記述できていることを確認した。本方法は生体系などより複雑な系に対しても極めて有用となると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)