腸管マスト細胞を標的とした新規アレルギー治療戦略の確立
Project/Area Number |
08J07124
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉島 洋介 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 消化器免疫疾患 / マスト(肥満)細胞 / 細胞外核酸 / 炎症性腸疾患 / 抗体療法 / マスト細胞 / 食物アレルギー / 腸管過敏症 / 細胞外核酸受容体 / 粘膜型マスト細胞 / 抗体 |
Research Abstract |
本研究課題「腸管マスト細胞を標的とした新規アレルギー治療戦略の確立」においては、腸管免疫システムによる恒常性維持機構の破綻により引き起こされる、消化器免疫疾患である食物アレルギーと炎症性腸疾患に対する新規予防・治療法の開発を念頭に、環境因子や生体内因子による腸管マスト細胞の分化・遊走・活性化機構を解明することを目的とした。また、最終的には腸管粘膜に存在する粘膜型マスト細胞に高い特異性を示す抗体を樹立し、標的分子の探索ならびに同定、抗体療法への応用を視野に入れた解析を行うことを目的としている。研究開始初年度には、本研究の基盤となる「粘膜型マスト細胞に対する抗体樹立」ならびに「標的分子の同定」を目標に掲げ取り組み、2年度では、消化器アレルギーモデルマウスおよび腸管過敏症モデルマウスなどの疾患モデルマウスを用いた樹立抗体の有効性についての検討を中心に解析を行ってきた。最終年度である3年度では、樹立した抗体の一つ(1F11抗体)が、耳介などの結合組織に存在するマスト細胞は認識せず、腸管のマスト細胞に高発現している分子を認識しており、質量分析法により細胞外核酸の受容体を認識していることが明らかとした。細胞外核酸は組織傷害部位や炎症部位に多く見られることが報告されており、1F11抗体を用いたin vitroの解析から、細胞外核酸によるマスト細胞の活性化および脱顆粒反応、さらには炎症細胞の遊走因子(ケモカイン、脂質メディエーター)が1F11抗体の前処理により有意に抑制されることを見出した。またin vivoの解析においては、腸管過敏症モデルマウスを用いて1F11抗体の有効性について解析したところ、1F11抗体投与群では、コントロール抗体投与群に対して、疾患が早期に回復する事が認められた。さらに、疾患発症に伴う腸管マスト細胞の活性化が1F11抗体投与により有意に抑制されることが認められた。以上の事から、1.腸管過敏症(炎症性腸疾患)において、炎症をマスト細胞の活性化には相関性があること。 2.マスト細胞の活性化阻害が有効な予防・治療法であること。3.この活性化は細胞外核酸により引き起こされていること、の3点が明らかとなった。得られた知見については14^<th>International Congress of Immunology(神戸)Aug.2010(査読あり)において口頭発表しており、本学会においてJSI Young Investigators'Travel Award for 14^<th>International Congress of Immunologyを受賞している。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)