Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,心筋の収縮弛緩能の定量的評価法に関して,従来よりも空間・時間分解能を飛躍的に向上させた高精度な2次元方向の心筋の厚み変化速度のイメージングを可能とし,臨床応用可能な方法として確立するとともに心臓壁の収縮弛緩特性の生理学的解明を目指している. 目的を達成するためには,2次元運動の推定法の最適なパラメータ(相関窓幅)決定が重要である.前年度までに検討してきたパラメータの最適化に関する基礎実験は,受信超音波RF信号のSN比について考慮しておらず,in vivo計測に比べて高かった.そのため,当該年度では,in vivo計測で取りうるSN比になるように,受信超音波RF信号に,任意に振幅を変化させて白色雑音を計算機内で付加し,様々なSN比において最適な窓幅を決定した.これらの検討から,in vivo計測におけるSN比と超音波の点拡がり関数をあらかじめ測定しておくことで,最適な窓幅を普遍的に決定可能であることを示した.提案した最適な相関窓幅は,in vivo計測と同等なSN比で検討を行なったこと,さらに絶対的な大きさとして評価したのではなく,個々の診断装置固有の普遍的な大きさ(超音波の点拡がり関数)を基に決定したことに応用性と独自性があると考える.さらに,提案した最適な相関窓幅と超音波RF信号の高フレームレート収集法であるParallel Beam Formingを用いることによって,高精度かつ高時間分解能な心臓壁の2次元運動解析を行った.電気信号が心室中隔壁を経て伝播し,心臓が収縮を開始するタイミングである心電図QR波周辺の時相において厚み変化速度を計測し,超音波断層像上にカラー表示を行った.心筋の収縮成分に着目することで,従来の2次元運動解析では困難であった心筋の収縮成分の伝播現象を捉えることを可能とした. また,その研究成果を学会発表や学会誌への論文投稿を積極的に行い,多くの分野の研究者との討論や新たな課題の発見の機会を設けた(国内学会4件,論文1件および雑誌1件(投稿中)).
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