金クラスター担持酸化物半導体に基づく光機能デバイスの開発
Project/Area Number |
11J09522
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
古郷 敦史 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 金属クラスター / 酸化チタン / サイズ制御 / 光誘起電荷分離 / 金クラスター / 可視光光電変換 / 可視光応答光触媒 / 光電変換 / 局在表面プラズモン共鳴 / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
直径~2nm以下の金属クラスター(CL)は量子サイズ効果に基づき、離散した電子準位を持つ。そのため、電子遷移に基づいた可視光吸収や蛍光、磁性、触媒活性など、バルクや直径~3nm以上の金属ナノ粒子(NP)では見られなかった新しい物性を示す。CLの物性はそのサイズに依存することから、CLのサイズを制御する方法も検討されており、これまでに多分散なCLを加熱やエイジングによつて安定性の高い単一サイズのCLのみを残す方法や、電気泳動やクロマトグラフィーによってCLをサイズごとに分離する方法が提案されてきた。 我々は、CLを担持したTiO2(CL/TiO2)に電子ドナーの存在下で可視光を照射すると、CLの励起電子がTiO2へ移動し、CLに生成した正電荷がドナーへ輸送される光誘起電荷分離が起こることを見出し、光電変換や光触媒として応用できることを示した。そこで、電子ドナーの非存在下でCL/TiO2に光照射を行うことで、生成した正電荷によりCLを酸化溶解し、サイズ制御を行うことを検討した。 原子間力顕微鏡による観察の結果、TiO2単結晶上に吸着したAg32クラスターが480nmの単色光照射により酸化溶解することが明らかになり、照射時間によってCLサイズを制御できることがわかった。 さらに、照射波長によってCLサイズを制御できることも示した。CLはサイズが大きいほど長波長の光を吸収するため、CL/TiO2に近赤外光を照射すると、CLが照射光を吸収しなくなるサイズにまで溶解すると考えられ、照射光波長を吸収端とするサイズのCLを生成できると予想した。CL/TiO2に>760nmの光を照射した結果、CLの>760nm以上の光吸収が失われ、サイズ減少が示唆された。さらに照射を続けてもCLの光吸1収端波長が変化しなかったことから、照射波長によってCLサイズを制御できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CLのサイズ制御は近年盛んに研究が行われているが、本研究では光誘起電荷分離を利用して銀クラスターのサイズを制御する新たな手法を提案することができた。これは当初想定していなかつた知見であり、今後金や白金など、他の金属クラスターへの応用が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では金よりも酸化されやすい銀クラスターを用いたが、三ヨウ化物イオンやシアン化物イオンなどの適切な配位子の存在下で光照射を行うことで、金や白金などの安定性の高いクラスターを酸化溶解できると期待され、サイズ制御を検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)