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『ナジャ』からみるシュルレアリスムにおける遊戯の射程

Research Project

Project/Area Number 18J13036
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeSingle-year Grants
Section国内
Research Field European literature
Research InstitutionKyoto University
Research Fellow 藤野 志織  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
Project Period (FY) 2018-04-25 – 2020-03-31
Project Status Completed (Fiscal Year 2019)
Budget Amount *help
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2018: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Keywordsアンドレ・ブルトン / シュルレアリスム / フランス文学 / 遊戯 / ドキュメンタリー / 写真 / 都市 / シチュアシオニスト
Outline of Annual Research Achievements

今年度はまず自動記述とシュルレアリスム遊戯の関係をより深く考察するため、自動記述を通して書かれたテクスト・シュルレアリストをキーワードに調査を進めた。ブルトンがシュルレアリスム遊戯を数え上げた『シュルレアリスム第二宣言』(1930)と「互いのなかに」(1954)の比較を通して明らかになったのは、先行研究において混同されることの多かった自動記述とテクスト・シュルレアリストを、ブルトンははっきりと区別しており、自動記述をシュルレアリスム遊戯と考えてはいなかったという点である。そこには、テクスト・シュルレアリストが持つやり直しのきかない遊戯の一回性と、自動記述の事後的な更新とを隔てる壁が見て取れる。本研究の成果は、京都大学文学研究科フランス語学フランス文学研究会が発行する『仏文研究』第50号(2019)に掲載された。
その後は、シュルレアリスムにおける写真をめぐる議論のなかで、芸術を志向しない客観的な資料(ドキュメント)としての写真の重要性が指摘されている点に注目し、ブルトンがドキュメントをどのように捉えていたのか分析を行った。ブルトンの著作を読み進めるなかで気付くのは、彼が単に外的事実の記録のみならず、自身の主観的な内面の記録という意味でも、ドキュメントという語を用いている点である。この観点に立つならば、客観的なドキュメントを用いた構成を前提とするドキュメンタリーの意味合いは、ブルトンを語るうえで大きく変わってくるだろう。
ブルトンは『ナジャ』改訂版(1963)の序文のなかで、「現場で捉えた」ドキュメントを何一つ歪めまいとする決意を語っているが、ここで重要なのは、こうしたドキュメントを礎に執筆するという確固たる意識が、散文作品に限らず、自動記述の実践にまで遡るブルトンの書くという行為の核心にあったという点である。この成果については、『仏文研究』第51号での発表を予定している。

Research Progress Status

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

Report

(2 results)
  • 2019 Annual Research Report
  • 2018 Annual Research Report

Research Products

(3 results)

All 2019 2018

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 遊戯としてのテクスト・シュルレアリスト:『シュルレアリスム第二宣言』と「互いのなかに」の比較から2019

    • Author(s)
      藤野志織
    • Journal Title

      『仏文研究』

      Volume: 50 Pages: 87-101

    • NAID

      120006770356

    • Related Report
      2019 Annual Research Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 「アンドレ・ブルトンと自動記述:『ラの音』における〈声〉の並置をめぐって」2019

    • Author(s)
      藤野志織
    • Journal Title

      『関西フランス語フランス文学』

      Volume: 印刷中

    • NAID

      130007685955

    • Related Report
      2018 Annual Research Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] アンドレ・ブルトンと自動記述2018

    • Author(s)
      藤野志織
    • Organizer
      日本フランス語フランス文学会関西支部
    • Related Report
      2018 Annual Research Report

URL: 

Published: 2018-05-01   Modified: 2021-01-27  

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