Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
昨年度に引き続き、旧鉱山町の足尾町を対象に調査を行ってきた。昨年度のように東京と調査地を行き来することが困難な状況であったため、調査地に住み込むことでフィールドワークを行い、そこでの生活史や日々の暮らしの中で見聞きしたことをフィールドノートに書き溜めてきた。そうした聞き取りの成果の一部を聞き書き論集に掲載することができた。しかし、研究成果のアウトプットという点において計画通りには進まなかった。具体的には、当初の計画にあった単著での論文掲載や聞き書きの小冊子を制作することが出来ておらず、研究成果の還元においては目標を達成することが出来なかった。本研究助成の半ばから影響が出てきたコロナ禍という状況の中で調査方法を大幅に変更せざるを得なかった。調査地としてきた過疎の町足尾で部外者として生活を始めて、そこにある生活は日々刻々と変化していると実感した。反対に、そこで暮らし続けてきた人々にとって、それは変わらない日常であった。けれども、病気や怪我、もしくは認知症により自立した生活ができなくなった時に生活に内包されていた問題が顕在化する。どのようなニーズがあり、どのようなケアが可能なのか。このようなへき地においては創造的な地域づくりではなく、安心して老い衰えることができる地域づくり、ひいては医療、介護を中心にした地域を構想する過程で、町自体を存続させていく方法を考える必要がある。科研費での活動はこれで終了するが、この新たに見えてきた課題について今後も引き続き検討していく。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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立正大学社会学論叢
Volume: 19
「ソシオロジクス」日本大学大学院社会学研究会
Volume: 41 Pages: 41-46