研究課題/領域番号 |
03660001
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
原田 竹雄 弘前大学, 農学部, 助教授 (10228645)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | イネ / 葯培養 / アルビノ / 葉緑体DNA / 色素体DNA / 線状DNA / ヘアピン末端 / バクター / ベクター |
研究概要 |
イネ葯培養ではアルビノが多発するが、これらのアルビノの中には色素体DNA(ptDNA)に大規模な欠失が認められものがある。アルビノから誘導したカルス(20C)の欠失ptDNAは、rpoBを中央に含むヘアピン末端を有する線状分子(19kbp)であること、さらにこの分子がHead-to-Head・Tail-to-Tailの様式で連結した単量体から4量体までの分子種から構成されていた。また、他のカルス(10A)では、psbAからtrnYまでの約16kbpの領域のみの20C-ptDNAと同様な線状分子種から構成されていることが判明した。これらの欠失ptDNAのコピー数をサザンブロットのシグナルの強度から概算したところ、正常なptDNAを有する種子由来カルスのptDNAとほぼ同じレベルであり、細胞当たり数千コピー存在していた。このコピー数は、同一カルス内のミトコンドリアDNAのコピー数ともほぼ一致していた。また、カルスよりRNAを抽出し、ノーザンブロット解析を行った結果、残存している領域からと考えられる転写産物が確認された。20Cと10A-ptDNAに共通する領域は約3.5kbpのみである。また10A-ptDNAのカルス細胞を電子顕微鏡により観察したところ、正常ptDNAを有する種子由来のカルスと同様、多数のproplastidが確認された。以上の結果から、欠失ptDNAは色素対外からのRNA polymeraseにより転写され、共通して残存する3.5kbpからの転写産物が細胞内で機能している可能性が示唆された。さらに、2次元目にアルカリ変性条件下で泳動を行うことにより、正常なptDNAを有する種子由来カルスにも、末端がヘアピン構造を呈するDNAの存在が確認された。同様の結果は、葉緑体からも得られたことから、これからの分子種が葯培養によって生じる欠失色素体DNAの起源である可能性が示唆された。
|