研究概要 |
マルチメディアによる映像や音声は,これまでの表現手段では難しかった感性に根ざした表現を容易にするため,個人個人の個性豊かな表現を強調する状況が生まれ,単なる産業面の活性化のみならず芸術や文化にまで巻き込んだ大きな可能性を持ってきている。また,ネットワークにおける高速広帯域化が進む中で,双方向遠隔教育が研究段階から実現の方向に向かっている.このような場面を想定したとき.何が重要になってくるかを考慮した場合,清らかな水をたたえる池の底から沸き上がる地下水のごとく個性豊かな独創性のあるアイデアの湧き出しが次から次へと起こることが強調作業を進めていく過程で必要になってくる.また,分散環境での発想を支援するための研究としてグループウェアがあるが,現在のグループウェアシステムは,分散システムにおける計算機構成,強調作業におけるユーザインタフェースなどに幾つかの解決すべき課題を抱えている.教育の観点からは,従来型の知識を単に習得するだけではなく,いかに新しい着想で実現に結び付けていくかを習得することが重要になりつつある.本研究では、科学的な情報の本質を追求するモデルとして定評のあるKJ法を用いて実験を実施し,アイデア放出の支援機能についてのいくつかの成果を確認し,KJ法利用の教育に対する可能性を検討した.工学院大学(工学部のみの単科大学)ではワークステーション,高性能パソコン,メールサーバ,高速LANシステム等をかなりの台数を設置している.これらの設備の有効利用の一環として,文字や図面情報に加えて,音声,画像等を取り入れたマルチメディア教育支援環境(電子メール・電子ニュース)で使う教材を開発した.また、遠隔分散システム上での計算機構成,発想補助のための強調作業におけるユーザインタフェース等について有益な結果を得たので成果報告にまとめた.
|