研究課題/領域番号 |
06044015
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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研究分担者 |
SHI S. Inverness大学, 環境科学, 講師
DAWSON A.G. Coventry大学, 理学部, Reader
箕浦 幸治 東北大学, 理学部, 助教授 (10133852)
高橋 智幸 東北大学, 工学部, 助手 (40261599)
今村 文彦 東北大学, 工学部, 助教授 (40213243)
DAWSON Alastair G Coventry University, Reader
SHI Shaozhong Environmental Science, Inverness College, Lecture
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 津波痕跡 / 液状化 / エ-ゲ海 / 歴史津波 / サントリ-ニ島 / 津波堆積物 / 東ジャワ地震津波 / 津波遡上 / 堆積学 / 津波災害 / フローレス島津波 |
研究概要 |
従来より津波災害のアセスメントを行うとき,その発生頻度を推定することはきわめて重要であるが、既存の歴史資料はその年代の限界と確実性において問題が残される。また、ほとんどの場合に、来襲中の挙動や形態などの詳細な情報はない。その中、津波堆積層は陸上に残された津波石と共に,文献には残されていない歴史津波をも推定できる可能性を示している。地学的アプローチと数値計算技術を融合させ、その発生頻度及び規模や特徴を推定する手法の開発が、本研究の目的である。 インドネシアでの最近発生した津波(1992年フローレス、1994年東ジャワ)を対象に、現地での調査と数値計算を実施し、津波による堆積作用の過程を詳細に検討した。特に、1992年インドネシア・フローレス島地震津波の際には、来襲方向および運動エネルギーの異なる二波がBabi島南西部沿岸を襲ったことが、堆積相および粒子径組成の解析結果から判別した。また、沿岸から230m付近まで軟体動物殻分布を含む石灰砂の急激な堆積が見られ、南西方向からの進入が推定できた。これらは、非線形浅水理論のモデルによる数値計算により再現されており、調査結果の有効性を示している。従来、津波の来襲方向は、1つの方向に仮定し、流体エネルギーや物質の運搬・堆積作用を議論されていたが、本研究により、この問題点が指摘され、今度の解析手法の発展につながるものと期待される。 さらに、地質学的手法を用いて、トルコ及びギリシアのエ-ゲ海沿岸部における津波痕跡の調査を行った。エ-ゲ海では地震が頻繁に発生しており、それに伴う津波は大きな被害を与えてきている。また現在、地震の空白域も指摘されており、津波の危険度は極めて高い。その結果、Dalamanで、3層の堆積層を発見した。特に、第2と3層の間には、液状化現象の後である噴砂を確認し、この堆積層が、地震に関連した津波であることが分かった。年代測定が難しいケースなどに対しては、このような液状化現象は、津波による堆積であることを特定するために重要になる。他の地域でも、堆積層が発見されており、本地域で津波の頻度が大きいことを裏付けている。エ-ゲ海では、地震だけでなく火山噴火による規模の規模の大きい津波も記録されており、津波数値モデルの新たな改良を行った。現在、サントリ-ニ島の噴火に適用され、カルデラ周辺での津波の伝播などの現象を把握出来た。
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