配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
内視鏡診断では,粘膜の微妙な色再現が診断に重要な影響を与える.すなわち,早期の疾病診断を行うためには内視鏡の色再現を改善することが重要である.このため,我々は内視鏡分光器を開発し,東邦大学病院,癌研究会付属病院,国立京都病院などの協力を得て多くの胃粘膜スペクトルを測定した.その主成分分析から胃粘膜については3主成分でその分光反射率推定が可能であることが示した.すなわち,R,G,B3チャンネルデータから胃粘膜の全画素の分光反射率が推定できることを示した.この実験結果に基づき,診断に最適な光源,光学系,CCD等の特性を推定する事を考え,色再現の計算機シミュレーションシステムを構築した.ここから,18種類の異なる光源による正常粘膜,ポリープ等を含む6種類の粘膜についての色再現のシミュレーションを行ない,医師の主観評価実験を行った.光学内視鏡については,凸射影法に基づく光源の最適化等を行った.さらに,胃粘膜スペクトル測定用に設計した内視鏡分光器を改造し大腸粘膜スペクトル測定を国立京都病院内視鏡センターの協力で測定した.測定は現在も継続中である. また,これらの結果に基づく単板式電子内視鏡のフィルター設計,JPEG圧縮についても多くの知見を得た.視覚特性,特に色順応の予測については,von Kriesモデル,Fairchild,変形Fairchildモデルなどについての実験をカラーチャート,顔画像などについて行ない内視鏡画像への応用についての基礎的な知見を得た. 以上,3年間を通した研究により電子内視鏡の設計に関わる視覚特性の応用に関して当初の目的を達成することができた.
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