配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
本研究は,(1)アズキ(Vigna angularis,2n=22)においてDNAマーカーによる精密な連鎖地図を作成すること,(2)この連鎖地図とアズキ近縁種で作成された連鎖地図との対応関係を明らかにすること,(3)連鎖地図上に質的あるいは量的形質を支配する遺伝子をマッピングすること,などを目的として行った。研究成果の概要は次のとおりである。1.アズキ(品種エリモショウズ)×ヒメツルアズキ(V.nakashimae)およびタケアズキ(V.umbellata)×アズキの2組の種間交雑に由来するF_2およびF_3植物を用いてRAPDおよびRFLP分析を行い,前者の雑種集団からは,108のRAPDと19のRFLPマーカーによって14の連鎖群からなる全長1250cMの連鎖地図を,また,後者の雑種集団からは,74のRAPDと114のRFLPマーカーによって14の連鎖群からなる全長1702cMの連鎖地図を作成した。2.これら2つの集団で作成した連鎖地図間およびリョクトウ(V.radiata)の連鎖地図との間で,共通のDNAマーカーの配列を調べ,いくつかの連鎖群の対応関係を明らかにした。3.アズキ×ヒメツルアズのF2集団では,胚軸色,胚軸色の濃淡などを支配する5つの主働遺伝子を上記の連鎖地図上に位置づけた。また,タケアズキ×アズキの雑種集団では,胚軸色を支配する主働遺伝子をマッピングするとともに,開花まで日数,主茎長,種子重,アズキゾウムシ抵抗性などの量的形質を支配する複数の遺伝子座(QTLs)を検出した。4.現在,RAPDのような優性マーカーでも信頼性の高いQTL解析を行うことができ,また一度作成した連鎖地図を反復して用いることができるようにするために,タケアズキ×アズキの雑種に由来する組換え近交系(Recombinant inbred lines)を育成しつつある。
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