研究課題/領域番号 |
08457587
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
阿知波 一雄 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10012626)
|
研究分担者 |
森本 俊明 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (60046307)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | 不斉配位子 / 不斉触媒 / パラジウム触媒 / ロジウム触媒 / 不斉アリル化 / 不斉水素化 / 隣接基 / 不斉ヒドロシリル化 / 不斉アりル化 |
研究概要 |
ノルボルナン骨格を有するビスホスフィン配位子で骨格にヘテロ原子官能基をsynに導入した光学的に純粋な新規不斉配位子を立体特異的な骨格転位を利用することによって効率的に数種類合成し、それらの遷移金属錯体を用いる不斉触媒反応を行い、隣接関与基のエナンチオ選択性に及ぼす効果を明らかにすることができた。すなわち、ビスホスフィン配位子として金属と7員環キレーション型および5員環キレーション型を取ることができ、かつ隣接基して有効に作用する各種のヘテロ官能基をもつ側鎖を導入したBHMP類およびNORPHOS類を開発することができた。配位子として7位にアミノ酸残基を有するBHMP-7X類を用い、Pdを触媒とする不斉アリル位アルキル化およびアミノ化を検討し、隣接関与基(特にβ-アラニン側鎖)がエナンチオ選択性を非常に高める(最高90%ee)ことがわかった。隣接基としてカルボキシル基が基質アミノ基等と水素結合をすることで選択性向上に重要な働きをしていることが明らかとなった。一方、隣接関与基として特に7位側鎖にアミノ基をもつ配位子NORPHOS-7-NEt_2と5位側鎖にもつNORPHOS-5-NEt_2配位子では、Pd触媒不斉アリル化反応(マロン酸エステルのC-アリル化)において、このような隣接関与基をもたないNORPHOSと比較して立体選択性が全く逆転し、しかも非常に高いエナンチオ選択性(〜99%ee)で生成物を与えるという興味ある事実を見いだすことができた。一方、N-アシルデヒドロアミノ酸のRh触媒不斉水素化では上記配位子の隣接関与基の大きな効果は見られなかったが、N-ベンゾイルヒドラゾンの不斉水素化では、NORPHOS-7-X配位子において隣接関与基の効果が見られ、7位にカルボキシル基をもつ配位子では、それ以外の配位子とは絶対配置が逆の生成物が得られるという興味深い結果が得られた。これは、カルボキシル基の基質との水素結合による効果を示唆するものである。
|