研究分担者 |
豊川 哲生 ゼオンメディカル株式会社, 総合開発センター, 主任研究員
大平 龍夫 ゼオンメディカル株式会社, 企画管理部, 課長
辻 隆之 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 部長 (00075764)
堀川 昌幸 日本ゼオン株式会社, 研究員
藤里 俊哉 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室員 (60270732)
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (40199691)
桂 義郎 テルモ開発研究センター, 研究部長
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配分額 *注記 |
20,300千円 (直接経費: 20,300千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
分離補助循環法とは,動脈系を横隔膜レベルで遮断し,上半身は大動脈内バルーンパンピング(IABP)補助下の自己心によって灌流し,下半身は経皮的心肺補助法の血液ポンプによって灌流する新しい補助循環法である.利点:1) 上半身の動脈系はバイパス血流の影響を受けないので,その圧・流量データから心機能回復の判定が容易となり,補助循環離脱時期の適切な判定が可能となる,2) IABP効果が高まる,3) 上・下半身を別個に循環制御できる,例えば心臓の後負荷軽減のために上半身血圧を低く,腎機能の維持・改善のために下半身血圧を高くできる.まず,動物実験用の分離補助循環用カテーテル(IA3BP)を試作した.IA3BPは主要バルーンと2個の小バルーンからなり,それぞれIABP用,遮断用として機能する(2個の小バルーンで交互に遮断し,前脊髄動脈閉塞を防止;容量はそれぞれ12cc,4cc).非バルーン部シャフト外径が8Frでバルーン部シャフト外径が7Frに先細りにするなど形状に工夫することによって,主要バルーンの心拍応答性を犠牲にすることなく遮断バルーン用の送気腔を2個内蔵できた.次に,IA3BP用駆動装置を開発した.恒常的な循環分離には2個の遮断用バルーンの拡張時期を一部オーバーラップさせる必要がある.この時間(OP)および遮断用バルーンの拡張・収縮1サイクルの時間をそれぞれ1.5-7,5秒,20-60秒の範囲内で設定可能にした.バルーン拡張圧が200mmHgの場合は背圧が100mmHgでもバルーン完全拡張に要する時間は約1.4秒であり,最小のOPでも循環分離が不十分にならないことが判った.最後に,IA3BPおよびその駆動装置を雑種成犬5頭にて2-3時間程度駆動させた.遮断バルーンの駆動はすべての例で成功し,駆動後のバルーン留置部は肉眼的には全く異常を認めなかった.
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