研究課題/領域番号 |
08J00385
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 賢 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | Sox21 / 成体ニューロン新生 / 海馬 / 歯状回 / Hes5 / Notch / ChIPシークエンシング / ノックアウトマウス / ChIP-シークエンシング |
研究概要 |
神経幹細胞に特異的に発現する転写因子であるSox21の機能を明らかにする目的で、レトロウイルスを用いてSox21を成体海馬歯状回の神経前駆細胞に導入し、その影響を検討した。その結果、Sox21を強制発現させた細胞では、ニューロンに分化する割合が増加した。このことから、Sox21は成体海馬でのニューロン新生を亢進させることが明らかとなった。 次にChIP-sequencing法を用い、Sox21が標的とする遺伝子を探索した結果、Notchシグナリングの下流の一つであるHes5遺伝子がその候補として挙げられた。そこで、Sox21によるHes5遺伝子の転写制御の様式を、成体ラット海馬由来神経前駆細胞株(AHP細胞)を用いたレポーター実験によって検討した。その結果、Hes5の転写開始点から約2.8kbp上流に位置する新規の転写制御領域にSox21が働きかけ、Notch依存的なHes5遺伝子の発現を負に制御していることが明らかになった。また、Sox21はAHP細胞においてHes5のmRNAの発現を抑制したことから、Sox21はHes5遺伝子のリプレッサーであることが明らかとなった。さらに、Hes5のshort hairpin RNAを用いたin vivoノックダウンにより、Hes5の発現抑制によって神経前駆細胞からニューロンへの分化が亢進することが確認された。 以上の知見から、Sox21は成体マウス海馬に存在する神経前駆細胞において、Hes5遺伝子の発現を転写レベルで抑制することにより、ニューロンへの分化を促進する役割を担うことが明らかとなった。これは、成体ニューロン新生を司る新規のメカニズムである。将来的には、うつ病や記憶学習など、成体ニューロン新生の変化を背景とするような疾患・現象に着目し、そのメカニズムの解明に本知見を繋げ、医療に貢献することを目標としている。
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