研究課題/領域番号 |
08J06286
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
赤司 千恵 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | シリア / 植物考古学 / 前期青銅器時代 / テル・ガーネム・アル・アリ遺跡 / 生業 / 青銅器時代 / ガーネム・アル・アリ遺跡 |
研究概要 |
2010年度は、シリア青銅器時代のテル・ガーネム・アル・アリ遺跡において、新たにもうけた第7、第8トレンチより植物分析用の土壌サンプリングとフローテーションを行った。そのサンプルから見つかった植物遺存体を分析すると、前年度までに発掘されたト第2、第3トレンチの植物と比べて、穀類の脱穀残滓と思われる穂軸などが少ないこと、炭化材の量が多いことなどに違いがみられた。他の区域とは異なる人間活動、及び異なる燃料の選択を示す証拠といえる。タンノールとよばれるパン調理施設が集中していることから、調理に特化した場所であったと考えられる。建物に使われている石材も、他のトレンチの一般住居とは異なり、当時の生産配分の在り方や、集落単位での調理活動があったことが示唆される。さらに、テル・ガーネム・アル・アリ遺跡近くの同時期の墓についても、発掘とサンプリングを行った。しかし、墓室内からの炭化物はごくわずかで、分析に耐えるだけの植物遺存体を回収するには至らなかった。ただし、最近墓室内に入り込んだアリが集積した現生植物(トウガラシ、ブドウ、カラスムギなどの種子)をサンプリングした。これは、遺跡からの炭化植物遺存体を解釈する際、アリによるコンタミネーションの程度を調べる指標として利用できる。 これまでの成果は、5月~6月にドイツのヴィルヘルムスハーフェンで行われた、国際植物考古学会(International Work Group of Palaeoethnobotany)において発表した。
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